伊集院静著 ”いねむり先生” ☆
®
内容紹介
色川武大との交流を描く著者自伝的小説の傑作
女優だった妻の死後、アルコール依存、ギャンブルに溺れ、
壊れてしまったボクは「いねむり先生」こと色川武大に出会う。
“大きな存在”との交流の中で、再生を果たす。
ギャンブル、アル中、分裂症、、、
いろいろな心の闇を抱えたひとの、魂の結びつきは、とても、柔らかで、
礼儀正しく、それでいて、タイトで、やさしく、温かい、、、
その加減が、とても居心地がよくて、
なんとなく読み始めて、次第に引き込まれていってしまう上質な本。
釣り宿の主人に色紙をねだられて、見ないで下さいと言いながら、
こっそりと書くくだりなど、なんかすっご~く、いいんですもん、、、
お二人の図抜けた観察眼に感服するとともに、
驚異的な記憶力には、脱帽するばかり、、、
こうでなくては、ギャンブラーは無理なんだろうな、、、とも、、、
エンディングには思わず絶句しました。
これは、計算したものなのか、、、だとしても、
まったく作為を感じさせない、意表をつく見事なお手並み。
それにしても、、、
阿佐田哲也(色川武大)って、そんなに素敵な人だったの、、、
”離婚” しか読んだことなかったけど、次々と読んで、
このチャーミングなおじさんに、また、会いたくなりました、、、
★★★★☆
文中の、絵描きのKさんと、歌手Iさんは、、、
最近のコメント