読書(あ~さ)

2025年2月 8日 (土)

青崎 有吾著 ”地雷グリコ” ☆


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内容
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。

平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。
罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、
百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。
次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。


ジャンケンをはじめとして、
勝負ごとにメッチャ弱いおばさんが手にしたこの本は、、、
高度なロジックを駆使した心理戦による騙し合い、
高校生たちのスリリングな駆け引きの頭脳バトルを、存分に楽しめました。

ただ、最終話は、ポーカーが分からないうえに、
作りこみ過ぎていて、おばさんにはハードル高すぎでした、が、
ミステリー好き、ゲーム好きのお方には、たまらない一冊かと、、、

★★★★☆






2025年1月18日 (土)

逢坂剛著 「百舌シリーズ」☆


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内容
『百舌の叫ぶ夜』
能登半島の岬で記憶喪失の男が発見された。一方、東京新宿では爆弾テロ事件が発生。

犯人を追う公安警察の倉木と美希は、やがて男へと辿り着き――。
『幻の翼』(第二弾)
かつて能登の断崖に消えた“百舌”が工作員として再び日本に潜入した――。
病院で起きた大量殺人と突然の捜査打ち切りに政治的陰謀を感じた公安の倉木は独自の捜査を始める。
『砕かれた鍵』(第三弾)
警察官が関与する事件が続発した。警察庁特別監察官・倉木は、警察内部で巨大な陰謀が
進んでいると踏み、捜査を開始する。その結果、“ペガサス”という謎の人物にゆき当たるが……。
『よみがえる百舌』(第四弾)
後頭部を千枚通しで一突き。そして現場には鳥の羽が一枚。あの暗殺者・百舌が帰還したのか?
警察の腐敗を告発し、サスペンスの極限に挑む大ヒット・シリーズの第四弾。


2014年、大ヒットしたこのTVドラマを、私は観ていなかったのですが、
原作を、10年以上経って手にしました。
図抜けた知能と戦闘能力の持ち主、冷酷無比なそのまなざしに、
何故かからめとられていく大川や明星、、、
西島さんがどんな倉木を見せてくれるのか、映像で見てみたいな、とは思うのですが、
暴力や流血シーンが大の苦手の私は、やっぱりムリかも、、、

緻密なプロットのハードボイルドに、第四弾まで夢中になりました、が、、、
倉木のいない「百舌シリーズ」は、寂しくて、ここまでとなりました、、、

★★★★☆





 

2024年11月17日 (日)

小泉武夫著 ”猟師の肉は腐らない” ★



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内容紹介
 
猟師の知恵に思わず脱帽! こんな豊かな暮らしが山ン中にあるなんて。
 
世界を巡った末に、故郷・阿武隈の山 奥に戻った猟師の義っしゃん。
 
愛犬をお供に猪を狩り、岩魚を釣り、灰や煙を使って保存食を作り、
冬に備え、危険から身を守る。
 
蜂も蝮もなんだってご馳走になる。
 
自然と生きる猟師の暮らしは、先達から受け継がれた様々な知恵と工夫がてんこ盛り。
 
命の連鎖も身をもって学んだ、驚きの体験記。



え?、ええ~!?、す、すごい!、これって、ノンフィクション?
読み始めてすぐに、ぐいっと引き込まれました、、、

電気もガスも水道もきていない山奥で自給自足の生活を送る義っしゃんの、暮らしぶり、
そして、食べるものがとにかくすごい!、
神を畏れ、命に感謝しながら、命を食べて、生きている、、、
そんな義っしゃんと愛犬クマの絆が、また、ぐっときちゃうのです、、、

ほんの少し前まで、こんな暮らしだったのです、、、
今、わたしたちが手に入れた、この快適で便利な暮らし、、、
そして、失ったものは、、、

チョーおススメの一冊、、、

★★★★★



                         ®2016年5月にアップしたリユース記事です



 

 

 

2024年10月22日 (火)

加藤シゲアキ著 ”なれのはて” ☆


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内容
一枚の不思議な「絵」から始まる運命のミステリ。
生きるために描く。それが誰かの生きる意味になる。

ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗は、
異動先で出会った吾妻李久美から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って
「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と
署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、
秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。


戦争、家族、仕事、芸術……
すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。


「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」

 

著者の”ピンクとグレー”、読後に著者がジャニーズのアイドルと知り、衝撃を受けました。
”オルタネート”に続いて手に取った、三作目になります。

秋田の油田を舞台に戦中から現代にかけて、緻密なプロットで組み上げられた重厚な一冊。
著者の深い思い入れ、並々ならぬ熱量が伝わってくる力作で圧倒されました。

第170回直木賞にノミネートされた本作ですが、
初老のおばさんには、二世代にわたって交錯する人間関係が、
なんとも複雑で取り残されそうになってしまうことが多々ありました、、、

★★★★☆

心に残った一文を本文より転記します、




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2024年10月 3日 (木)

青山 美智子著 ”赤と青とエスキース ”

 

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2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作!

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」
日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――
二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。


三章の”トマトジュースとバタフライピー”が、突出して良かった、
アマゾンのレビューでも高評価だし、、、

ただ、、、
『お探し物は図書室まで』
これが、私には、あまりにもよかったので、、、
その期待が大きすぎて、、、


 

 

2024年9月 7日 (土)

青山 美智子著 ”リカバリーカバヒコ”


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内容
新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、
自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は、
悩みをカバヒコに打ち明ける。成績不振の高校生、ママ友と馴染めない元アパレル店員、
駅伝が嫌な小学生、ストレスから休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長。
みんなの痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。


本年度の本屋大賞にノミネートされたハートウォーミングな話題作。
淡々と読み進むうちに、最終章でぐっときました、、、

そんな心に残った一文を、
以下に本文より転記します、

 

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2024年8月20日 (火)

桐野夏生著 ”真珠とダイヤモンド ”、株式市場に思うこと、、、


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内容
1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那、もう一人は高卒の
伊東水矢子。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。
野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、
ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。



この本は、バブルの教訓を教えてくれます。
あのバブルの時代の波に乗り、その狂乱の中、頂点を極めたかのように思われた昭平と佳那、、、
不穏なプロローグが示唆する、行きつく先は、、、

★★★☆☆


歴史的な東京株式市場の乱高下に、
私が思うことは、、、



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2024年8月16日 (金)

伊坂 幸太郎著 ”777(トリプルセブン)” ☆


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そのホテルを訪れたのは、逃走中の不幸な彼女と、不運な殺し屋。そして――

累計300万部突破、殺し屋シリーズ書き下ろし最新作
『マリアビートル』から数年後、物騒な奴らは何度でも!

やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。
通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、
超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだった――。
時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。
彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる……。

そのホテルには、物騒な奴らが群れをなす!


不運な殺し屋、天道虫(てんとうむし)が、
二十階建て都心のラグジュアリーホテルを舞台に、八面六臂の大活躍、
プロの殺し屋たちが入り乱れての、
息もつかせぬエンターテイメント・サスペンス、、、

★★★★☆


インドア派のおばさんは、
炎天下、エアコンを入れて引きこもって、ひたすら、、、読書、





2024年8月13日 (火)

こどもの世界

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®
「流れに身を任せてひらひらしていたり、
 穴を掘ったり、泥団子を作ったりと、
 何にもならないことに熱中しているのが子供の世界なのに、
 それが今、役に立たないことと排除されようとしている。
 少ないからもっと丁寧に見つめてもいいのに、
 そうしないで早く大人にして
 経済効果を上げさせようという流れになっている」


 社会学者 本田和子氏のことば (104日、読売新聞より)

 絵 岩下哲士氏



    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
®2010年10月にアップしたリユース記事ですが、、、
 午前10時には、もう30度、、、
 外に遊びに行っておいでなんて、とても言えない、この過酷な夏、、、
 わたしたち大人が、この子たちに残したものは、、、







2024年6月23日 (日)

北 杜夫著 ”どくとるマンボウ航海記” ★


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内容 (1960年初刊)
のどかな笑いをふりまきながら、青い空の下を小さな船に乗って海外へ出かけたマンボウ。
独自の観察眼でつづる旅行記。

水産庁の漁業調査船に船医として乗りこみ、五カ月間、世界を回遊した作者の興味あふれる航海記。
航海生活、寄港したアジア、アフリカ、ヨーロッパ各地の生活と風景、成功談と失敗談などを、
独特の軽妙なユーモアと卓抜な文明批評を織りこんで描く型破りの旅行記である。
のびやかなスタイルと奔放な精神とで、笑いさざめく航跡のなかに、
青春の純潔を浮彫りにしたさわやかな作品。  

 

子供のころ、”船乗りクプクプの冒険“に夢中になったわたしが、
久しぶりに手にした著者の本作は、、、
マグロの調査船に乗り込んだ著者の、図抜けた冷静な観察眼と豊かな表現力、、、
凪の、そして荒れ狂う大海原を航海し、異国の地を、
居ながらにして、心躍りながら極上の旅を愉しみました、、、

★★★★★


以下に本文より心に残った一文を転記します、




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より以前の記事一覧

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  • 三浦 しをん: まほろ駅前多田-
  • 中坊 公平: 金ではなく鉄として
  • 中脇初枝: 世界の果ての子供たち
  • 伊与原 新: 八月の銀の雪
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