読書(た~わ)

2023年10月14日 (土)

帚木蓬生著 ”アフリカの瞳” ★

 

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内容  (2004年刊行)
世界のHIV感染者六千五百万人、その三分の二がアフリカに集中するエイズの現実。
10人に1人がHIVに感染している国。南アフリカ。
民主化後も貧しい人々は満足な治療も受けられず、
欧米の製薬会社による新薬開発の人体実験場と化していたのだ。命の重さを問う感動の長編小説。

尊敬する帚木蓬生さんの御本。
かつて、猛威を振るい、原因も治療法も全く未知だったエイズ。
貧困に因する感染の蔓延、
恐怖におびえる人々を相手の問答無用の無慈悲な人体実験を行う西欧の製薬会社、、、
またひとつ、帚木蓬生さんが、教えてくれた埋もれた現実に絶句、、、

★★★★★


末期のエイズ患者の想像を絶する壮絶な最期の姿、、、
そして、そんな絶望的な世界で、
立ち上がった女性たちの姿に心を打たれました。

以下に、本文よりそれぞれ、その一部を転記します、

 

 

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2023年10月 3日 (火)

町田その子著 ”星を掬う”


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2022年本屋大賞 第10位受賞、

小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。
その後、私は、母に捨てられた――。

ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。
それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。
この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、
記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。

 

母に捨てられた過去が、重くのしかかる、、、
夫のDVから逃れたものの、探し当てられ、金をせびられ、暴力をふるわれ、、、

・・・千鶴は、、、
   あなたの周りにも、必ず、いる、、、
   それも、少なくない数の千鶴が、、、








2023年9月 8日 (金)

寺地はるな著 ”川のほとに立つ者は” ★


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内容
カフェの若き店長・原田清瀬は、
ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、
恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。

「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。


謎解きに導かれて、ページをめくるうち、
ネタバレになってしまうので、書けないけれど、
名前だけは、一応知ってはいたけれど、
その詳細に、打ちのめされました、、、

一人でも、多くの方に手に取ってほしい一冊。

★★★★★


以下に、心に残った一文を本文より転記します、





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2023年7月12日 (水)

西 加奈子著 ”くもをさがす”


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内容
家族でカナダ滞在中に、トリプルネガティブ乳がん発覚から、
治療を終えるまでの約8 ヶ月間の生活を克明に描いた、作家初のノンフィクション

両胸全摘手術を日帰り…西加奈子が体感したカナダの医療と日本の医療の「違い」
闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、
家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。

 

読みながら、私が一番強く感じたことは、
なんて、たくさんの友人知人に恵まれたお方だろう、、、
わたしだったら、ミールトレインに一体どれだけの人が、と思うと、
逆に、せめて、がん罹患中の友人に、できることを、と、、、

本文より心に残った一文を以下に転記します、

 

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2023年6月28日 (水)

水野敬也著 ”夢をかなえるゾウ0(ゼロ)  ガネーシャと夢を食べるバク”


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シリーズ累計450万部最新刊!
えっ!? 自分、「夢」がないやて? ほな「夢の見つけ方」教えたろか。

平凡な会社員を「宇宙一の偉人に育てる」と宣言したガネーシャ。
しかし、彼には「夢」がなかった――。

新キャラ・バクとガネーシャの父・シヴァ神も登場する、!
「夢とは何か?」「夢は本当に必要なのか?」を解き明かす、
夢ゾウシリーズの原点「0(ゼロ)」ついに登場!

 

このシリーズ、昔読んだことあったなぁと、手に取ったものの、、、
半分も読めませんでした、、、

巻末の「ガネーシャの教え」より、大いに同意した一文を以下に転記します。

 

 「これはほんまに大事なことやで。
  もちろん、怒りを伝えるちゅうても大声で叫んだり、
    やたらめったらキレてええちゅうわけやないけど、
    自分が傷ついて苦しんでいることをちゃんと相手に伝えることが、
    自分を大事にすることにつながんねんな」


こういう時、私は手紙を書きます。
下書きを数日かけて何度も見直してから、ポストかメールで、、、

一度だけ、ものすごい反発を食らったときは、スルーして黙って離れました。
3年経って、彼女から、自分が悪かったから許してほしいとメールが届き、
わかってくれれば、それでいいので、その件にはノータッチで、
また、一緒にランチするようになりました、、、


このシリーズを読んだのは、いつだったかなぁと、自分の過去ログを紐解いてみると、、、
なんと、もう10年も前でした、それが、、、



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2014年10月19日(日)


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内容(「BOOK」データベースより)
 
ダメダメな僕のもとに突然現れた、
 
ゾウの姿をしてなぜか関西弁で話す、とてつもなく、うさん臭い神様“ガネーシャ”。
 
聞けば、ナポレオン、孔子、ニュートン、最近ではビル・ゲイツまで、
 
歴史上のキーパーソンは自分が導いたという…。
 
しかし、その教えは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかり。
 
こんなんで僕は成功できるの!?TVドラマ化、アニメ化、舞台化された、ベスト&ロングセラー。
 
過去の偉人の具体例から導き出される、誰にでもできる超実践的な成功習慣を小説に織り込んだ、
 
笑って、泣けて、タメになる、まったく新しいエンターテインメント小説。




アマゾンで、741件のカスタマーレビュー!、
おすすめ度四つ星半の高評価に、ワクワクと手にとりましたが、

どこか既視感のある自己啓発書で、残念ながら、わたしは、
半分しか読むことができませんでした、、、

それでも、
★★★★☆、つけた、そのわけは、、、




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2023年6月12日 (月)

凪良ゆう著 ”汝、星のごとく”★


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☆2023年本屋大賞受賞作☆ 

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、
自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

 

メンタルを病んだ母親を捨てきれず、恋も夢もあきらめようとする、暁海。
ただひたすら、男の後を追い続けるだけの、櫂の母、、、

大きな夢を実現させた櫂、
だが、そこにあったものは、、、

すれ違ってゆく、それでも相手を思い続ける、それぞれの胸の内があまりにも辛すぎる、、、
ふたりの幸せを祈りつつ、ページを捲る手が、、、止まらない、、、


★★★★★


以下に心に残った一文を本文より転記します、





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2023年3月 5日 (日)

林真理子著 ”小説8050 ” ★


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内容
このままでは我が子を手にかけ、自分も死ぬしかない――。

従順な妻と優秀な娘にめぐまれ、完璧な人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。
有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男の翔太が、
七年間も部屋に引きこもったままなのだ。
夜中に家中を徘徊する黒い影。次は、窓ガラスでなく自分が壊される――。

「引きこもり100万人時代」に必読の絶望と再生の物語。


殴った方は、忘れても、
殴られた方は、忘れない。

面白がって、ふざけ半分のいじめでも、
どれだけ、ひとりの人間の、その家族の人生を破壊するのか、、、

一見、幸せそうに見える家族に秘められた苦悩は、やがて、、、


ぐいぐいと引き込まれ、一気読み

★★★★★


市立図書館では、予約200番でしたが、地区センターの図書室にありました。
著者の本では、"下流の宴" と並んで、おすすめです、、、







2023年1月27日 (金)

ひろゆき著 ”1%の努力” ☆


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内容(「BOOK」データベースより)
ラクを極めた管理人がマジメに語る、
「生い立ち」「起業」「ビジネス」「これから」の話。

「頭のいい生き方」を教えよう。

 

彼のYouTube、面白いひとだな~と感心しながら、しょっちゅう見てました。
ものすごいケチという印象がありますが、児童養護施設へのパソコン無償配布とか、
お金を最大限に活かして使おうとなさるスタンスを尊敬しています!
奥様の、“だんな様はひろゆき”も、とっても楽しく拝読させて頂きました♪


それが、、、
あの沖縄の座り込み抗議の動画は様々な物議をかもしました、、、

正しいとか、間違ってるとかじゃなく、
長いこと苦しんでいらした方々を冷笑するような様子に、なんだか気持ちが冷めてしまい、
それ以来、彼の動画を観ることはなくなってしまいました、、、

 

彼独特の視点が見せてくれる世界に魅入られていたころ、
図書館に予約を入れたこの本が、ようやく届きました。
読んでみると、やっぱり、彼の思考回路は、さすがだなと感じ入りました、、、

★★★★☆


以下に、心に残ったひとことをいくつか、本文より転記します、




 

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2023年1月17日 (火)

宮本輝著 ”流転の海 第七部~第九部” ★


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内容(「BOOK」データベースより)
第7部 満月の道

昭和三十六年。
六十五歳を目前にした松坂熊吾は中古車販売業を着実に展開させ、往時の覇気が
甦りつつあった。
息子・伸仁は父の背を追い抜き、絵画を愛する健やかな少年へと成長した。

妻の房江はアルコールから抜け出せずにいたが、大阪最大の駐車場管理を続けながら生きる歓びを
見出している。そう、たしかに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは―。


第8部 長流の畔
東京オリンピック開幕前後、六十六歳の松坂熊吾は金策に窮していた。

大阪中古車センターをオープンさせるも、別れたはずの愛人・博美との関係を復活させ、
それが妻・房江に知られ、高校生になった息子・伸仁にも責められ、熊吾は家を出ざるを得なくなる。
糖尿病は悪化し、大怪我を負い、さらに会社の不振が続く。熊吾の運は尽きたのか。
そして、心を痛めた房江はついに…。




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第九部 野の春
執筆37年、シリーズ累計230万部の大作「流転の海」、第九部でついに完結。

自らの父をモデルにした松坂熊吾の波瀾の人生を、
戦後日本を背景に描く自伝的大河小説「流転の海」。
昭和四十二年、熊吾が五十歳で授かった息子・伸仁は二十歳の誕生日を迎える。
しかし熊吾の人生の最期には、何が待ち受けていたのか。
妻の房江は、伸仁はどう生きていくのか。幸せとは、宿命とは何だろうか――。



本の虫のわたしが、今までに読んだ本の中で、
ベストテンに間違いなくランクインするこの本を教えてくださった、
博子さんとケリーちゃんに、心より深謝致します、 


図書館で借りて読了致しましたが、
どうしても、単行本を手元に置いておきたくて、、、





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2022年10月18日 (火)

奥田 陸著 ”ネバーランド” ☆


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内容
クリスマス・イヴ。無人の寮に、帰ることのできない4人の少年が残った。
そこで行われた懺悔大会。
しかし、それには「一つだけ嘘を混ぜること」というルールがあった。

切なくほろ苦い青春ミステリ。


素敵なカバーイラスト、、、これは、BLものかと思いきや、、、
美しく個性豊かな四人の若者たちが抱える、深くて暗い秘密が、、、やがて、、、

一気読みしてしまいました、

★★★★☆ 


もう一冊読んだ著者のミステリーは、、、




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  • 山崎 豊子: 大地の子
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  • 帚木 蓬生: 三たびの海峡
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  • 東山 彰良: 流
  • 桐野 夏生: グロテスク
  • 沢木 耕太郎: 深夜特急
  • 浅田 次郎: 壬生義士伝
  • 浅田 次郎: 中原の虹
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