読書(た~わ)

2023年3月 5日 (日)

林真理子著 ”小説8050 ” ★


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内容
このままでは我が子を手にかけ、自分も死ぬしかない――。

従順な妻と優秀な娘にめぐまれ、完璧な人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。
有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男の翔太が、
七年間も部屋に引きこもったままなのだ。
夜中に家中を徘徊する黒い影。次は、窓ガラスでなく自分が壊される――。

「引きこもり100万人時代」に必読の絶望と再生の物語。


殴った方は、忘れても、
殴られた方は、忘れない。

面白がって、ふざけ半分のいじめでも、
どれだけ、ひとりの人間の、その家族の人生を破壊するのか、、、

一見、幸せそうに見える家族に秘められた苦悩は、やがて、、、


ぐいぐいと引き込まれ、一気読み

★★★★★


市立図書館では、予約200番でしたが、地区センターの図書室にありました。
著者の本では、"下流の宴" と並んで、おすすめです、、、







2023年1月27日 (金)

ひろゆき著 ”1%の努力” ☆


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内容(「BOOK」データベースより)
ラクを極めた管理人がマジメに語る、
「生い立ち」「起業」「ビジネス」「これから」の話。

「頭のいい生き方」を教えよう。

 

彼のYouTube、面白いひとだな~と感心しながら、しょっちゅう見てました。
ものすごいケチという印象がありますが、児童養護施設へのパソコン無償配布とか、
お金を最大限に活かして使おうとなさるスタンスを尊敬しています!
奥様の、“だんな様はひろゆき”も、とっても楽しく拝読させて頂きました♪


それが、、、
あの沖縄の座り込み抗議の動画は様々な物議をかもしました、、、

正しいとか、間違ってるとかじゃなく、
長いこと苦しんでいらした方々を冷笑するような様子に、なんだか気持ちが冷めてしまい、
それ以来、彼の動画を観ることはなくなってしまいました、、、

 

彼独特の視点が見せてくれる世界に魅入られていたころ、
図書館に予約を入れたこの本が、ようやく届きました。
読んでみると、やっぱり、彼の思考回路は、さすがだなと感じ入りました、、、

★★★★☆


以下に、心に残ったひとことをいくつか、本文より転記します、




 

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2023年1月17日 (火)

宮本輝著 ”流転の海 第七部~第九部” ★


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内容(「BOOK」データベースより)
第7部 満月の道

昭和三十六年。
六十五歳を目前にした松坂熊吾は中古車販売業を着実に展開させ、往時の覇気が
甦りつつあった。
息子・伸仁は父の背を追い抜き、絵画を愛する健やかな少年へと成長した。

妻の房江はアルコールから抜け出せずにいたが、大阪最大の駐車場管理を続けながら生きる歓びを
見出している。そう、たしかに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは―。


第8部 長流の畔
東京オリンピック開幕前後、六十六歳の松坂熊吾は金策に窮していた。

大阪中古車センターをオープンさせるも、別れたはずの愛人・博美との関係を復活させ、
それが妻・房江に知られ、高校生になった息子・伸仁にも責められ、熊吾は家を出ざるを得なくなる。
糖尿病は悪化し、大怪我を負い、さらに会社の不振が続く。熊吾の運は尽きたのか。
そして、心を痛めた房江はついに…。




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第九部 野の春
執筆37年、シリーズ累計230万部の大作「流転の海」、第九部でついに完結。

自らの父をモデルにした松坂熊吾の波瀾の人生を、
戦後日本を背景に描く自伝的大河小説「流転の海」。
昭和四十二年、熊吾が五十歳で授かった息子・伸仁は二十歳の誕生日を迎える。
しかし熊吾の人生の最期には、何が待ち受けていたのか。
妻の房江は、伸仁はどう生きていくのか。幸せとは、宿命とは何だろうか――。



本の虫のわたしが、今までに読んだ本の中で、
ベストテンに間違いなくランクインするこの本を教えてくださった、
博子さんとケリーちゃんに、心より深謝致します、 


図書館で借りて読了致しましたが、
どうしても、単行本を手元に置いておきたくて、、、





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2022年10月18日 (火)

奥田 陸著 ”ネバーランド” ☆


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内容
クリスマス・イヴ。無人の寮に、帰ることのできない4人の少年が残った。
そこで行われた懺悔大会。
しかし、それには「一つだけ嘘を混ぜること」というルールがあった。

切なくほろ苦い青春ミステリ。


素敵なカバーイラスト、、、これは、BLものかと思いきや、、、
美しく個性豊かな四人の若者たちが抱える、深くて暗い秘密が、、、やがて、、、

一気読みしてしまいました、

★★★★☆ 


もう一冊読んだ著者のミステリーは、、、




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2022年10月10日 (月)

西加奈子著 “夜が明ける”


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内容
15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家 庭で育った「俺」と、母親にネグレクトされていた吃音のアキは、
共有できることなんて何一つないのに、互いにかけがえのない存在になっていった。
大学卒業後、「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。しかし、
焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、俺たちは少しずつ、心も身体も、壊していった......。

思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描 きながら、
人間の哀しさや弱さ、 そして生きていくことの奇跡を描く。
本書は著者が初めて、 日本の若者の生きていく上でのしんどさに真正面から取り組んだ作品。

 

出版社からのコメント
「書きながら、 辛かった」と西加奈子さん自身が振り返る、
最新長編『 夜が明ける』の主なテーマは、現代日本に存在する若者の貧困、 虐待、 過重労働です。

直木賞受賞後に友人たちが連れて行ってくれたモノマネパブで見た「誰かに似ている人」という存在、
フィンランドのバーで出会った男性など、 様々な西さんの実体験がつながって物語は構築され、
執筆途中で生活拠点を移したカナダで諸外国人の「日本の若者の貧困」に対する認識を痛感された
西さんの想いが反映された、 まさに5年かけて変化し続けた作品です

主人公は「俺」です。 彼に名前はついていません。

誰でも、 それこそ女性でも、 「俺」のような状況に陥ることがある、
ここには「この小説はあなたの物語なんだよ」という西さんのメッセージが込められています。



重いテーマに取り組んだ渾身の作品ではありますが、、、
あまりに、救いが無さ過ぎて、、、

紛争、疫病、貧困、世界中で多発する壊滅的な自然災害、食糧危機、
政治の混迷、経済の低迷、物価高騰、、、社会の分断、、、
気分が塞ぐことばかりの日常には、、、
正直、辛すぎました、、、


著者の作品で、私のお勧めは、”サラバ!” です、









2022年10月 5日 (水)

西村ゆか+wako ”だんな様はひろゆき” 


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内容
論破王、家では宇宙人!?

掲示板管理人・ひろゆきの日常を妻が赤裸々に描く脱力系4コマ。
「ギャップありすぎ」とツイッターで話題沸騰のウェブ漫画が待望の書籍化。

・ひろゆきが家でしゃべるのは○○語
・どケチすぎる私生活の実情
・偉そうなのに妻にはめっぽう弱い意外な素顔
などの4コマのほか……

・なれそめ秘話をつづったったかきおろし30ページ
・面倒くさがるひろゆきを引っ張り出した「罰ゲーム夫婦対談」
・結婚式にまつわるおまけエッセイ+秘蔵のカラー写真


この頃、YouTubeでよく拝見するようになった、ひろゆきさんのお話が面白くて、
家ではどんなご様子なのかと、興味を覚えて手にした一冊。
ほっこりしたお二人に癒されました、、、



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なかでも、強くこころに残ったのは、
このアーミーナイフのシーンです
・・・・・・・・・・・・・・


ひろゆきさんの金銭感覚が、
スケールは、まったく違いますが、
コンビニのペットボトルのお茶が買えないとか、
自分と傾向が似ている所があり、
それは、たとえば、株に関しても似たような一面があり、

それは、、、




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2022年9月15日 (木)

高瀬隼子著 ”おいしいごはんが食べられますように”


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第167回芥川賞受賞、
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。

職場でそこそこうまくやっている二谷と、
皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。

ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。


たまたま地区センターの図書室に、
受賞したばかりのこの芥川賞作品があって、借りて参りました。
芥川賞なのに、純文学なのに、面白い!と、思って読み始めたものの、、、

既視感のない、これは、、、





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2022年9月 5日 (月)

宮本輝著 ”流転の海 第五部 花の回廊・第六部 慈雨の音” ★


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第5部 花の回廊
昭和32年、財産を失った松坂熊吾は、電気も水道も止められた大阪・船津橋のビルで、
来る自動車社会を見据えた巨大モータープールの設立に奔走し、妻の房江は小料理屋の下働きで
一家を支える。一方、小学生の伸仁は尼崎の貧しいアパートに住み、
壮烈な人間ドラマの渦に巻き込まれていく。大河小説の最高峰「流転の海」シリーズ最新作!



第6部 慈雨の音
昭和三十四年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松阪熊吾だが、
駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、
北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、
熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが──。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。




夢中になって読みふけって
とっておきの時間を過ごさせて頂いております、流転の海、、、

文庫だと、フォントが小さいので、単行本を図書館で借りて読んでいます。
これは買おう!と、新潮社に問い合わせたら、単行本の在庫は、8、9巻しかないとのことで、
メルカリで第五部を購入した所、これが、とっても状態が良好でほとんど新品、、、

第五部の心に残った一文を、本文より一部転記します、





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2022年8月25日 (木)

宮本輝著 ”流転の海 第四部 天の夜曲” ★

 

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第4部 天の夜曲
昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して
妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、
妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。
そして新しい仕事も順調にみえたが……。
苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。


流転の海、全9巻、40年かけてようやく完結。
ずっと追いかけていた人たちは、待って待って、待って、、、
それを、私は完結してから読み始めましたが、
あまりにも好きすぎて、読み終えてしまうのが惜しくて、もったいなくて、ちびちびと、、、

以下に心に残った一文を、本文より転記します、

 

 

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2022年8月14日 (日)

山崎豊子著 "沈まぬ太陽”全五冊 ★

 

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®
日本を代表する航空会社の凄まじいまでの腐敗。
 85年の御巣鷹山事故の衝撃を出発点に、その内実を描いたノンフィクション・ノベル。
 全5巻の大作ながらベストセラーになった。
 労組活動を「アカ」呼ばわりされ、海外の僻地勤務を命じられた主人公・恩地に、
 リストラ社会を生きる人々の共感が寄せられたのが一因だろう。
 だが、もっと重要なのは、だれもが知るあの会社をモデルに
 実在人物をも特定できる形で汚点を紡いだ「蛮勇」ではないか。
 たとえ事実と創作の混線ぶりが気になるにしても。
 「白い巨塔」の財前や「不毛地帯」の壹岐でなく、
 企業内で黙々と働く恩地が英雄という閉塞時代に、私たちはいる。』



『内容
 広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。
 恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。
 エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、
 内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。
 人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命―。
 人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける。 




「大地の子」と並んで、著者のその類まれな才能に、圧倒されました。
事実を小説として再構築した作品とされていますが、
この航空機会社の恐るべき実態に、戦慄を覚えました。
読後、しばらく、本を手に、茫然自失、、、

そして、今、、、
最終赤字990億円、深刻な業績不振に陥る、日航。
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便で、失われた520人もの命は、、、はたして、、、いったい、、、

★★★★★

           ® 200910月にアップしたリユース記事です。



  2013
101日 追記
     信念を守る、不屈の強い意気。
     気骨ある作家、山崎豊子さんのご冥福をこころよりお祈り申し上げます。


 2017年8月13日 追記
  123便、日航機墜落、凄惨な事故から、三十二年、、、
  ご遺族の方々の其々に刻まれた艱難辛苦の三十二年、、、
  今年は仏教で「弔い上げ」とされる三十三回忌、、、
  合掌、、、







 

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