読書(た~わ)

2024年11月24日 (日)

掘 和久著 “死にとうない ―― 仙厓和尚伝” ☆

 

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内容(「BOOK」データベースより)
誰も、わしの過去を知らない。わしのたどってきた茨の道を知らない。
あまりにも恥深き半生だったゆえに、
わしも、おのれの過去をことさら口に出すことはしなかった。
病床に臥した仙厓の眼裏に、七十年近い昔の乞食旅をつづける雲水姿が浮かぶ。
「大悟透徹した禅師」「無欲恬淡の風雅人」「童心をもつ洒脱飄逸の大和尚」などと
評される仙厓だが、若き日に投身自殺まで図った苦悩の修行と悟りを重ね、
たどりついた境地―八十八歳にして、新しい発見をする。
日々、新しい世界がひらけてくる。死にとうないのう…。
名僧仙厓義梵の漂泊の生涯を描く歴史長篇小説。

 


「海賊とよばれた男」で、仙厓義梵の大ファンになり、
展覧会に行く前にと、手にとった一冊。
著者を存じ上げなかったので、その歩んだ生涯が大体分かればと、あまり期待もせずに、、、

それが大きく裏切られ、読みふけってしまいました。
見事な筆致、まるで、たった今ここに居たかのごとく活き活きとした描写力、、、

仙厓が、とある豪商の新築祝いに送った賛に、
「ぐるりと 家を取り巻く 貧乏神」
「七福人は 外に出られず」

★★★★☆

以下に本文より、、、





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2024年9月22日 (日)

和田秀樹著 ”感情的にならない本-不機嫌な人は幼稚に見える” ☆


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内容
人との関係は「感情関係」といった一面が強いものです。
腹がたつ相手には、相手のちょっとした言動で、すぐかっと怒ったり、
不満が吹き出したり、つい不機嫌な反応をしてしまいます。
とはいえ、
すぐに感情的になったり、不機嫌でいたりしては、周りからは幼稚にも見られ、損もします。
コミュニケーションも上手くいかず、他の人間関係にも悪い影響があります。「感情」は
自分では制御できないものではなく、そうなる「法則」や「感情的になるパターン」があります。
そのことを知り、「感情的にならない」コツを押さえれば、穏やかな気持ちを保つこともできます。
本書で「感情的にならない」心の技術と考え方を、精神科医の著者が、
体験的に得た方法・精神医学の立場からの方法から紹介します。

  • 「感情コンディション」を整える方法
  • 「曖昧さに耐える」思考法
  • 「パニックに陥らない」技術
  • 「いつでも気軽に動く」技術
  • 「小さなことでクヨクヨしない」技術 (他)

こころを穏やかに保てられると、人間関係も上手くいきます。


安定して不安定、と言われる「B型」のわたしは、
この本に教わること、大なり、、、

大いに納得しながら、私自身の備忘録とすべく、
以下に本文から転記します、、、

 

 

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2024年9月14日 (土)

町田その子著 ”夜明けのはざま”


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内容
自分の情けなさに、歯噛みしたことのない人間なんて、いない。

地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。
仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、
親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、
元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、
世界で一番会いたくなかった男に再会した
葬儀社の新人社員、
夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦……。

死を見つめることで、自分らしく生きることの葛藤と決意を力強く描き出す、
『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した町田そのこ、新たな代表作


三年連続で本屋大賞にノミネートされた著者の高評価の一冊です。
本文のこの一節にいたく心を動かされました、、、

  共に生きる人が大切にしているものを、共に守れなくてどうする。
 
 『一緒に生きていくために大切なのは「しあわせな瞬間」だけではなくて、
 「相手の幸せを考える時間」も大事なんだよ』


・・・が、へそ曲がりの私は、この一文に違和感を覚えてしまいました、、、

それは、、、





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2024年8月31日 (土)

凪良ゆう著 ”星を編む”


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内容 
☆2023年本屋大賞受賞作 シリーズ最新作☆

花火のように煌めいて、届かぬ星を見上げて、
海のように見守って、いつでもそこには愛があった。
ああ、そうか。わたしたちは幸せだったのかもしれないね。

『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語
「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。
       彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?

「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。
       漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。

「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。
『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。



第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』の続編になります。
前作の様々な解が示され、繋がってゆきます、、、

以下に本文より心に残った一文を転記します、




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2024年8月10日 (土)

中沢啓治作 “はだしのゲン” ★


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®2013年にアップしたリユース記事です

内容紹介
著者の体験をもとに、強く明るく生きる少年・中岡元の姿を通して、
原爆の恐ろしさ、命の尊さ、そして平和への強い願いが込められた名作。

 

松江市の教育委員会による、
小中学校の図書館への閲覧制限のニュースを聞いて、、、



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2024年7月 7日 (日)

林真理子著 ”愉楽にて” ☆


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内容
美と恋に生きる名家の男たちは、

書物を愛でるように、女と情を交わし、
自由になるために、女から愛を求める。

東京・京都・シンガポールを舞台に、家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが、
甘美な情事を重ねていく、その果てに――
日経朝刊連載時から話題沸騰! 絢爛たる贅沢な官能美の世界を描く傑作長編


大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。
副会長という役職と途方もない額の資産を与えられた素性正しい大金持ちで、
シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。
スタンフォード留学中に知り合った友人、田口靖彦は老舗製糖会社の三男。
子会社社長という飼い殺しの身が、急逝した妻の莫大な遺産により一変。
家の軛から自由になるために、女からの愛を求め、京都で運命の出逢いを果たす。
時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは――


著者がインタビューで、この作品にどれだけ投資したことか、
そして日経連載時の大評判とは打って変わって、
本の売れ行きは良くなくて、、、やっぱり、売れないと!、話題にならないと!、と
仰っていらしたのに興味をひかれ、市民図書の本棚からお借りして参りました、、、

いきなりの濃厚な性描写に続く、
一生垣間見ることのできない世界の描写に息を呑み、、、

そして、なにより、
最も興味を覚えた一文を以下に本文より転記します、




 

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2024年6月13日 (木)

宮部みゆき著 ”理由” ★


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内容 1998年初刊
事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか――。
東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。
そして、ベランダから転落した若い男。
ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった……。
ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする。
第120回 直木賞受賞作 


裁判所による不動産の競売の闇の恐ろしさを、切々と教えてくれる力作。
事件の裏で、それぞれの家族の心の在り様が映し出されていく様は、見事のひと言、、、
「火車」に続く、著者の代表作と感じいりました、、、

★★★★★

 

以下に心に残った一文を本文より転記します、

 

 

 

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2024年5月29日 (水)

夕木春央著 ”方舟” ☆


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週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位!
MRC大賞2022 第1位!

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに
地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。
さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。

そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。
生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。

タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。


話題の本を、地区センターの図書室で見つけて、、、
いわゆる密室の、クローズド・サークルの設定で、
あまりミステリを読まない私には、とっつきにくかったのですが、、、
ですが、、、

この、衝撃のラストに、、、
あなたも、きっと、、、
やられちゃいます、、、


★★★★☆



 

 

2024年5月15日 (水)

藤谷 治著 ”船に乗れ! (1~3)" ☆


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〈 内容 〉  2008/10
高校の音楽科に通う主人公・津島サトルと個性豊かな仲間たち。

彼らが過ごす音楽漬けの日々に、青春時代のきらめきと切なさを色濃く映し出した、
本格青春小説三部作。爽快な第一楽章。

青春の「爽やかさ」と人生の「苦み」をともに描ききった、
新たな「青春小説のスタンダード」として話題沸騰です。


楽器全滅、しかも音痴のわたしには
縁遠い、音楽のエリートたちの世界、
しかも、最も苦手とする、哲学、ニーチェとかがそこここに、、、
それなのに、、、
夢中になってあっという間の三巻でした 

余りのリアルさに、これは、自伝ではなかろうかと、、、
ググってみると、、、


 

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2024年4月28日 (日)

帚木蓬生著 ”国銅” ★


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歯を食いしばり一日を過ごす。星を数える間もなく眠りにつく。
都に献上する銅をつくるため、若き国人は懸命に働いた。
優しき相棒、黒虫。情熱的な僧、景信。忘れられぬ出会いがあった。
そしてあの日、青年は奈良へ旅立った。大仏の造営の命を受けて。
生きて帰れるかは神仏のみが知る。そんな時代だ。


何十年かぶりに奈良で大仏を拝した折
いったいどうやってあの時代にこれほど巨大な大仏を、と、
興味を覚えて手にしたこの一冊に、完璧に打ちのめされました。

大仏の銅採掘から精錬、鋳造、、微に入り細を穿つその描写は、
専門分野の方々には、どれほど興味深いことでしょう、、、

新羅(しらぎ)出身の大工、多くの中国や韓国からの渡来人やその子孫、
彼らの知識と技無くしては、到底成し得なかった偉業であったこと、、、

全国各地から、とんでもない数の人々が集められ、危険な作業下で次々と落命し、
ようやくの帰郷の保証もないまま、まるで牛馬のような劣悪な条件下で働かされた、
貧しく名もなき人々の言葉を失う艱難辛苦、、、

★★★★★ 


以下に、心に残った一文を本文より転記します、




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