加藤シゲアキ著 ”なれのはて” ☆
内容
一枚の不思議な「絵」から始まる運命のミステリ。
生きるために描く。それが誰かの生きる意味になる。
ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗は、
異動先で出会った吾妻李久美から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って
「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と
署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、
秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。
戦争、家族、仕事、芸術……
すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。
「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」
著者の”ピンクとグレー”、読後に著者がジャニーズのアイドルと知り、衝撃を受けました。
”オルタネート”に続いて手に取った、三作目になります。
秋田の油田を舞台に戦中から現代にかけて、緻密なプロットで組み上げられた重厚な一冊。
著者の深い思い入れ、並々ならぬ熱量が伝わってくる力作で圧倒されました。
第170回直木賞にノミネートされた本作ですが、
初老のおばさんには、二世代にわたって交錯する人間関係が、
なんとも複雑で取り残されそうになってしまうことが多々ありました、、、
★★★★☆
心に残った一文を本文より転記します、
「彼はこんな場所、すぐにでも燃やすべきだと言いました。
石油がここに住む人間をどれだけ苦しめたかを嘆き、
地球が時間をかけて作ったものを人間がたやすく奪ってはいけないとも語りました」
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