町田その子著 ”夜明けのはざま”
内容
自分の情けなさに、歯噛みしたことのない人間なんて、いない。
地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。
仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、
元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した
葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦……。
死を見つめることで、自分らしく生きることの葛藤と決意を力強く描き出す、
『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した町田そのこ、新たな代表作
三年連続で本屋大賞にノミネートされた著者の高評価の一冊です。
本文のこの一節にいたく心を動かされました、、、
共に生きる人が大切にしているものを、共に守れなくてどうする。
『一緒に生きていくために大切なのは「しあわせな瞬間」だけではなくて、
「相手の幸せを考える時間」も大事なんだよ』
・・・が、へそ曲がりの私は、この一文に違和感を覚えてしまいました、、、
それは、、、
豊かに生きた人は、豊かに死ねる。
貧しく生きた人は、死すらも貧しい。
豊かな人は豊かに見送られ、貧しい人は寂しく送られる。
死はすべての生き物に平等だと言うけれど、しかし、死が纏う衣には、確実に格差があるのだ。
・・・そうかな、ほんとにそうなのかな、、、
邪悪な支配力で人々を威圧し、恐れられ嫌われ者だったあるお方の、
そして、立派な社会的地位を有しながらも、家族を苦しめ続けた悪魔のようなお方の、、
それは、それは、静かな安楽な最期であったと伺い、、、
戦禍に命を落とした方々、、、
予期せぬ突然の事故に落命なさった方々、、、
豊かに生きた方々にも、誰にも見送られないまま、無念の死は訪れるのでは、と、、、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
著者の御本で、私が一番好きなのは、、、
”52ヘルツのクジラたち”
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