青山 美智子著 ”リカバリーカバヒコ”
内容
新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、
自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は、
悩みをカバヒコに打ち明ける。成績不振の高校生、ママ友と馴染めない元アパレル店員、
駅伝が嫌な小学生、ストレスから休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長。
みんなの痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。
本年度の本屋大賞にノミネートされたハートウォーミングな話題作。
淡々と読み進むうちに、最終章でぐっときました、、、
そんな心に残った一文を、
以下に本文より転記します、
「でもどう見えるのかって結局、目というより脳の判断らしいですよ」
「脳?」
「例えば、網戸の向こうのベランダにバケツがあるとするじゃないですか。
バケツを見ようとすると、 そっちにピントがあって、目の前の網戸が消えるんですよね。
で、網戸を見ようとすれば、細かい格子が現れる。そうするとバケツは、視界というか、
極端な話、頭からいなくなる。人間って結局、見たいものだけ見たいように見てるんですよ」
「ほんとに勝手だよなぁ」
「それでいいんじゃないですか。
何が大事で必要か、その都度選択しながら生きているってことでしょう。
何もかも全部はっきり見てやろうなんて、その方が傲慢ですよ」
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著者の御本は何冊か読んでみましたが、圧倒的に好きなのは、
”お探し物は図書室まで”
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