上橋 菜穂子著 ”香君” ☆
内容
遥か昔、神郷からもたらされたという奇跡の稲、オアレ稲。
ウマール人はこの稲をもちいて帝国を作り上げた。
この奇跡の稲をもたらし、香りで万象を知るという活神〈香君〉の庇護のもと、
帝国は発展を続けてきたが、あるとき、オアレ稲に虫害が発生してしまう。
時を同じくして、ひとりの少女が帝都にやってきた。
人並外れた嗅覚をもつ少女アイシャは、やがて、
オアレ稲に秘められた謎と向き合っていくことになる。
「飢えの雲、天を覆い、地は枯れ果て、人の口に入るものなし」――
かつて皇祖が口にしたというその言葉が現実のものとなり、次々と災いの連鎖が起きていくなかで、
アイシャは、仲間たちとともに、必死に飢餓を回避しようとするのだが……。
オアレ稲の呼び声、それに応えて飛来するもの。
異郷から風が吹くとき、アイシャたちの運命は大きく動きはじめる。
奇跡のオアレ麦が作り上げた、一大帝国は、
やがて、虫害によって崩壊の危機にさらされる。
環境因子で激変してゆく、作物、虫たち、、
その謎を秘めて壮大な物語が展開していく、、、
主食をたった一つに、しかもそれを、他国に頼り切ることの恐ろしさ、
これは、数少ない生産国の小麦に依存している、
今の世界の国々が抱えるリスクをまさに映し出しているのではと、、、
★★★★☆
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