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2023年10月14日 (土)

帚木蓬生著 ”アフリカの瞳” ★

 

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内容  (2004年刊行)
世界のHIV感染者六千五百万人、その三分の二がアフリカに集中するエイズの現実。
10人に1人がHIVに感染している国。南アフリカ。
民主化後も貧しい人々は満足な治療も受けられず、
欧米の製薬会社による新薬開発の人体実験場と化していたのだ。命の重さを問う感動の長編小説。

尊敬する帚木蓬生さんの御本。
かつて、猛威を振るい、原因も治療法も全く未知だったエイズ。
貧困に因する感染の蔓延、
恐怖におびえる人々を相手の問答無用の無慈悲な人体実験を行う西欧の製薬会社、、、
またひとつ、帚木蓬生さんが、教えてくれた埋もれた現実に絶句、、、

★★★★★


末期のエイズ患者の想像を絶する壮絶な最期の姿、、、
そして、そんな絶望的な世界で、
立ち上がった女性たちの姿に心を打たれました。

以下に、本文よりそれぞれ、その一部を転記します、

 

 

 

 

消え入るような声が、かさぶただらけの口から漏れた。
眼の焦点が合っていないのは、視力もほとんど残っていないからだろう…
骨の上に皮膚をかぶせただけの身体のあちこちに褥瘡…。潰瘍か皮下出血で覆われた体表は、
一平方センチも正常な部分はない。頭髪も八割方抜け落ち、手足の爪も剥がれてしまっている。
口を開けさせて、ペンシルライトをあてる。口腔膜も舌も、潰瘍と苔で地図状になっていた。



解決策が容易に見えない問題に対して、威力を発揮するのが自助グループの結成だった。
夫のギャンブルに苦しむ妻ばかりが集まって、自助グループを作ったり、
やはり夫の暴力にさいなまれる妻たちが同様のグループを結成するのを、パメラが手伝うのだ。
ひとつのグループに集うのは十名から二十名だが、3ヶ月経ち半年経つうちに、
彼女たちの顔つきが変わってくる。暗くて口数も少なく、
他人の話を聞いているのかいないのかわからないような表情の女性に、変化が現れる。
自分の悲惨な境遇をぽつりぽつり口にするうちに、瞳に光が宿り、微笑も出てくる。
仲間の話を聞く態度にも真剣味が加わり、発言も増える。
夫の行状は変わらなくても、女たちは少々のことでへこたれなくなる。
そのうち夫に何から何まで寄り掛かっていた生活を改めるようになる。
自分の力で生きる道を模索し始めるのだ。

 

 

 

 

 

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