西 加奈子著 ”くもをさがす”
内容
家族でカナダ滞在中に、トリプルネガティブ乳がん発覚から、
治療を終えるまでの約8 ヶ月間の生活を克明に描いた、作家初のノンフィクション
両胸全摘手術を日帰り…西加奈子が体感したカナダの医療と日本の医療の「違い」
闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、
家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
読みながら、私が一番強く感じたことは、
なんて、たくさんの友人知人に恵まれたお方だろう、、、
わたしだったら、ミールトレインに一体どれだけの人が、と思うと、
逆に、せめて、がん罹患中の友人に、できることを、と、、、
本文より心に残った一文を以下に転記します、
夜、風呂に湯を溜めている間だけ泣いた。バスルームの外では夫と子が笑う声が聞こえた。
2人に聞こえないように、勢いよく湯を出して、ぶくぶくと泡立っている。浴槽にうずくまった。
お湯に顔をつけて、「こわいよー、こわいよー」と叫んだ。
がんに罹った人は、原因を考えてしまうそうだ。
暴飲暴食が悪かったんだ、睡眠不足が悪かったんだ、仕事のストレスが悪かったんだ、
果ては水子の供養をしていなかったからだ、墓参りをしていなかったからだ、まで、様々に。
でも、それは誰にでも起こる。
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