宮本輝著 ”流転の海 第七部~第九部” ★
内容(「BOOK」データベースより)
第7部 満月の道
昭和三十六年。
六十五歳を目前にした松坂熊吾は中古車販売業を着実に展開させ、往時の覇気が甦りつつあった。
息子・伸仁は父の背を追い抜き、絵画を愛する健やかな少年へと成長した。
妻の房江はアルコールから抜け出せずにいたが、大阪最大の駐車場管理を続けながら生きる歓びを
見出している。そう、たしかに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは―。
第8部 長流の畔
東京オリンピック開幕前後、六十六歳の松坂熊吾は金策に窮していた。
大阪中古車センターをオープンさせるも、別れたはずの愛人・博美との関係を復活させ、
それが妻・房江に知られ、高校生になった息子・伸仁にも責められ、熊吾は家を出ざるを得なくなる。
糖尿病は悪化し、大怪我を負い、さらに会社の不振が続く。熊吾の運は尽きたのか。
そして、心を痛めた房江はついに…。

第九部 野の春
執筆37年、シリーズ累計230万部の大作「流転の海」、第九部でついに完結。
自らの父をモデルにした松坂熊吾の波瀾の人生を、
戦後日本を背景に描く自伝的大河小説「流転の海」。
昭和四十二年、熊吾が五十歳で授かった息子・伸仁は二十歳の誕生日を迎える。
しかし熊吾の人生の最期には、何が待ち受けていたのか。
妻の房江は、伸仁はどう生きていくのか。幸せとは、宿命とは何だろうか――。
本の虫のわたしが、今までに読んだ本の中で、
ベストテンに間違いなくランクインするこの本を教えてくださった、
博子さんとケリーちゃんに、心より深謝致します、
図書館で借りて読了致しましたが、
どうしても、単行本を手元に置いておきたくて、、、
どうしても、単行本を手元に置いておきたくて、
ヤフオクやメルカリで、状態の良さそうなのを探して少しづつ購入しています、が、、、
・・・後半は、読むのが辛くて、前半のみを、、、
今は、第一巻を、探しているのですが、
これが、なかなか、見つけられずにおります、、、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
心に残った一文を本文より以下に転記します。
第七部 満月の道より
アメリカが本格的に攻撃を始めたら、北ベトナムなんてひとたまりもないと
ほとんどの人が考えるでしょうけれど、僕は想像を超えてベトナムは手強いと思います。
松坂さんは、ベトナムのジャングルをご存知ないでしょう?、
あのジャングルを全て焼き払えるのは原爆だけです。しかし、それを使うたら、
地球は壊滅ですし、アメリカは冷酷な世界の悪党ということになってしまいます。
共産主義と資本主義のせめぎあいなのに、アメリカは悪党になってしまうわけにはいきません。
それは資本主義が敗北することになりますからね。
ベトナムのジャングルは日本を空襲するようにはいかんのです。
あのジャングルをベトナム人は目をつぶってても歩いたり走ったりできますが、
広大な北米大陸で生まれ育ったアメリカ兵には地獄でしょう。
長いことフランスの植民地でしたので、今40代から上の人は流暢なフランス語が使えますし、
英語も中国語も話せる人たちもいます。カンボジア人もそうですが、頭のええ優秀な民族です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 本書はとにかく登場人物が多いので、
こちらのリストをプリントアウトして、参考にしながら読了させて頂きました。
宮本輝著 ”流転の海 第一部”
”流転の海 第三部 血脈の火”
”流転の海 第四部 天の夜曲”
”流転の海 第五部 花の回廊・第六部 慈雨の音”
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コメント
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きぬえさん、祝!読了!ですっ。
次の巻を今か今かと待って早数年・・・ってのが続きながら37年も経ってしまったので、まとめて読んだ方が俄然効率的ではありますね。
とにかく壮大な物語なので、私も読み返したい思いもあるのですが、彼の波乱万丈の人生をまた反芻するかのように読むのはエネルギーが・・・・と二の足を踏んでしまいます。それぐらいたくさんの登場人物の色んな心の在り様がせめぎ合った物語でしたよね・・・。
この最後の巻の表題「野の春」と、挿絵の美しさがお話の完結を飾るにあまりにふさわしいと感じ入りました。(登場人物リスト、私も相関図作ろうかと思った事ある。でも私は人物を完結には表せないし、ヘタな家系図よりデカくなりそうだと思い断念しました;;)
読了されたきぬえさんと読書感想をシェアするような気持ちで、私が最終巻読み終わった後の感想記録をリンクします~。
http://blog.livedoor.jp/golden_peony/archives/52580624.html#more
投稿: ケリーちゃん | 2023年1月19日 (木) 11:00
★ケリーちゃん
ほんとうに、比ぶべきもののない、壮大な物語です!、
そして、おっしゃる通り、「野の春」のカバー絵の美しさが、この本の最後を見事に飾っています。
ケリーちゃんの感想文を読んで、感動がまた、蘇ってきました、、、
”房江さん役は、木村多江さん”というのに、まさに、まさにと、、、
この素晴らしい本を教えてくださったケリーちゃんに、
重ねて御礼申し上げます💛
投稿: きぬえ | 2023年1月19日 (木) 12:12