
内容
15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家 庭で育った「俺」と、母親にネグレクトされていた吃音のアキは、
共有できることなんて何一つないのに、互いにかけがえのない存在になっていった。
大学卒業後、「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。しかし、
焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、俺たちは少しずつ、心も身体も、壊していった......。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描 きながら、
人間の哀しさや弱さ、 そして生きていくことの奇跡を描く。
本書は著者が初めて、 日本の若者の生きていく上でのしんどさに真正面から取り組んだ作品。
出版社からのコメント
「書きながら、 辛かった」と西加奈子さん自身が振り返る、
最新長編『 夜が明ける』の主なテーマは、現代日本に存在する若者の貧困、 虐待、 過重労働です。
直木賞受賞後に友人たちが連れて行ってくれたモノマネパブで見た「誰かに似ている人」という存在、
フィンランドのバーで出会った男性など、 様々な西さんの実体験がつながって物語は構築され、
執筆途中で生活拠点を移したカナダで諸外国人の「日本の若者の貧困」に対する認識を痛感された
西さんの想いが反映された、 まさに5年かけて変化し続けた作品です。
主人公は「俺」です。 彼に名前はついていません。
誰でも、 それこそ女性でも、 「俺」のような状況に陥ることがある、
ここには「この小説はあなたの物語なんだよ」という西さんのメッセージが込められています。
重いテーマに取り組んだ渾身の作品ではありますが、、、
あまりに、救いが無さ過ぎて、、、
紛争、疫病、貧困、世界中で多発する壊滅的な自然災害、食糧危機、
政治の混迷、経済の低迷、物価高騰、、、社会の分断、、、
気分が塞ぐことばかりの日常には、、、
正直、辛すぎました、、、
著者の作品で、私のお勧めは、”サラバ!” です、
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