厄払い
もう十数年以上も前のある日、バスに乗り、電車を乗り換え、
待ち合わせた友人たちと東京駅から、またバスに乗って腰を下ろし、
ほっと一息つきながら、膝の上で手を重ねたとき、
ふと、違和感に包まれて、婚約兼結婚指輪を見ると、、、
真珠が、、、ない、、、!
いったい、どこで、、、
いったい、どこで、落としたんだろう、、、
けれども、いくつもの乗り物を乗り継いで、
かなりの距離を移動しているのだから、、、
ちいさな真珠、一個、、、
絶対に、見つからない、、、
茫然自失、、、
これは、何か、悪いことの予兆かも知れない、、、
途方もない不安感に打ちのめされて、青ざめるばかりでした、、
しばらく凍りついたようになっていて、それから、、、
一緒の友人たちに気づかれないように、おもむろに指輪を外し、バックに仕舞いました。
無くなってしまったものに、
取り戻す手立てのないものに、
いつまでも囚われていても仕方ない。
きっと、あの真珠は、わたしたち夫婦の身代わりになってくれたんだ、、、
厄払いができたのだ、と、、、
・2016年9月、巾着田の五百万本の曼珠沙華は、こちらから、、、
« オニオンクリームチーズ | トップページ | 横浜中華街 ”愛群”の看板メニュー、牛バラ肉ごはん ★ »
コメント