高瀬隼子著 ”おいしいごはんが食べられますように”
第167回芥川賞受賞、
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。
職場でそこそこうまくやっている二谷と、
皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。
ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。
たまたま地区センターの図書室に、
受賞したばかりのこの芥川賞作品があって、借りて参りました。
芥川賞なのに、純文学なのに、面白い!と、思って読み始めたものの、、、
既視感のない、これは、、、
既視感のない、これは、たしかに、新しい世界。
「みんなで食べるものがだいたいまずい」
「おれは美味しいものを食べるために生活を選ぶのが嫌いだよ」
食べることが楽しくない、面倒、とは、、、
私だって、納豆ご飯や、卵かけご飯とか、
手数をかけないごはん、しょっちゅうだけど、
そんな地味なご飯でも、とってもおいしぃ、、、
・・・食べ物を無駄にしないようにと育てられた私には、まさに、異次元の世界。
なんだろう、こんな人、こんな考え方の人がいるんだと、ただ、驚くばかり、、、
会社に恋人が持ってきた手作りのケーキを、みんなで頂くときの無言のルール、
それを、人気のなくなった深夜の社内で踏みつぶし、ごみ箱に捨てる、
そして、その彼女と結婚する、、、
思っていることと、言葉にすることが、まったく正反対だったりする、
その複雑な、屈折した思いが交差する、社内の三角関係、、、
いろいろなことを考えさせてくれた、貴重な一冊、、、
・・・ただ、読み進めるうちに、
だれ一人として、本の中に好きになれる人がいないことに気づく、、、
« カンタン、おいしい♪、ケンミンの焼ビーフン | トップページ | カンタン長芋のとろろご飯 »
「読書(た~わ)」カテゴリの記事
- 町田その子著 ”夜明けのはざま”(2024.09.14)
- 凪良ゆう著 ”星を編む”(2024.08.31)
- 和田秀樹著 ”感情的にならない本-不機嫌な人は幼稚に見える” ☆(2024.09.22)
コメント