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2022年9月 5日 (月)

宮本輝著 ”流転の海 第五部 花の回廊・第六部 慈雨の音” ★


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第5部 花の回廊
昭和32年、財産を失った松坂熊吾は、電気も水道も止められた大阪・船津橋のビルで、
来る自動車社会を見据えた巨大モータープールの設立に奔走し、妻の房江は小料理屋の下働きで
一家を支える。一方、小学生の伸仁は尼崎の貧しいアパートに住み、
壮烈な人間ドラマの渦に巻き込まれていく。大河小説の最高峰「流転の海」シリーズ最新作!



第6部 慈雨の音
昭和三十四年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松阪熊吾だが、
駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、
北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、
熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが──。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。




夢中になって読みふけって
とっておきの時間を過ごさせて頂いております、流転の海、、、

文庫だと、フォントが小さいので、単行本を図書館で借りて読んでいます。
これは買おう!と、新潮社に問い合わせたら、単行本の在庫は、8、9巻しかないとのことで、
メルカリで第五部を購入した所、これが、とっても状態が良好でほとんど新品、、、

第五部の心に残った一文を、本文より一部転記します、







「好きとか嫌いとか言うよりも、ようわからんのじゃ、朝鮮人の気質っちゅのが。
 わしの人間理解の範疇を超えちょる。
 わしがそんなタイプの朝鮮人としか出会わんかったのかもしれんが、とにかく突然過激になりよる。
 日頃は温厚で優しい人間が、思いもよらんことで時も場所もわきまえずに怒り出して、
 泣いたり喚いたり、死ぬか生きるかちゅう騒ぎになる。なんでこんなに些細な事で、
 こんなに怒らにゃいけんのじゃ。なんでこんなに些細なことで血を見にゃあ治らんほどのケンカに
 なるんじゃと辟易するような朝鮮人としか、わしが出会わんかったんじゃろう。
 そやけん、わしは日本人どもが、
 朝鮮人を犬猫以下みたいに見下して、牛馬のように苦役に使おうたこおも知っちょる。
 朝鮮人が日本を憎んで当然じゃと思う。日本人はそのことをきちんと謝罪して償わにゃあいけん。
 しかし朝鮮人も、あの突然カッとなって逆上するっちゅう癖を自己規制せなぁいけんと思うんじゃ」

「日本にいてる朝鮮人は、みんな鬱屈して生きてまっさかいなぁ
 親しいにつき合うてくれる日本人も、腹の底ではこんなチョンコに親切にしてやってる自分は何て
 ええ人やろちゅう思いがあって、さぞかし気分が ええ に違いないって、逆にそんなふうに考えて
 しまうんです。蔑まれても腹が立つ、親切にされても腹が立つ、、、。そういう鬱屈がちょっとでも
 酒が入るといっぺんに吹き出るんです。就職の問題、結婚の問題、進学の問題、
 まあとにかくありとあらゆるところで、日本に居てる朝鮮人は差別を受けてますさかいに。」
「どこの国に行こうが、外国人は差別されるんじゃ。
 何も朝鮮人だけが日本で差別されちょるんじゃあらせん。日本人がフランスで暮らしたら、やっぱり
 差別を受けるじゃろう。フランス人がアメリカで 暮らしたら、それなりの差別を受けるはずじゃ。
 外国人を差別せん国なんて、今のところこの地球上にはない」

 


「その亀井というお方は、なぜ私にこんな大切なものをくださったのか、
 一度も会ったこともない朝鮮人の私に」
「朝鮮人じゃろうがアメリカ人じゃろうが、亀井さんにはそんなことは問題ではない。
 この茶碗は、市井の無名の、しかし見事な侘数寄者にこそふさわしい。
 これを焼いた青年も喜んでくれるだろう。そう思われたんでしょう」



「中国は途轍もない市場じゃぞ。中国っちゅう国の持っちょる知恵の底深さを知らんのか。
 国の大きさや人口だけでも、日本の何十倍もあることを考えたら、単純な損得計算だけでも、
 日本はこれからどうしたらええのか、馬鹿でもわかるじゃろうが。何をぐずぐずしちょるんじゃ。
 政治家のバカどもが。アメリカのご意向待ちか?」


日本人も優秀な民族だ。特に技術という分野では世界でも屈指の才がある。
これは得がたい民族的能力だが、日本人には一つ決定的な欠陥がある。
うまくいっているときは、傲慢と尊大の塊と化し、
駄目になると卑屈になって、お辞儀ばかりするという点だ。
そしてどっちの場合でも付和雷同する。それが太平洋戦争で見事に露呈したのだ。


「島国の、井の中の蛙じゃが、よその国の技術を学んで、
 それを自分流に発展させる能力は見上げたもんなんじゃ。平安時代の昔から、それは変わらん」



 

 

 

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