宮本輝著 ”流転の海 第四部 天の夜曲” ★
第4部 天の夜曲
昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して
妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、
妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。
そして新しい仕事も順調にみえたが……。
苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。
流転の海、全9巻、40年かけてようやく完結。
ずっと追いかけていた人たちは、待って待って、待って、、、
それを、私は完結してから読み始めましたが、
あまりにも好きすぎて、読み終えてしまうのが惜しくて、もったいなくて、ちびちびと、、、
以下に心に残った一文を、本文より転記します、
自分ができることは、ケチな料簡を起こさずに、親身になってしてあげなにゃあいけん。
見返りを求めちゃあいけんぞ。自分がしてあげたことに対して、
何らかの見返りを求めるっちゅうのが、父さんは一番嫌いじゃ。
こっちがしてあげたことに対して、相手が裏切りみたいなやり方で応じても、知らん振りをしちょれ。
それが、いつかお前という人間に福徳のようなものを運んでくる 。
その咄家が、美男子でも何でもなかったが、「いい顔」をしておったちゅうところが大事なんじゃ。
まず人相ありきじゃ。どうしたら自分の人相を良うすることができるか。
これは難しい問題じゃが、わしは、どうしたら「悪い人相」になるかは多少はわかる。
それはのぉ「嫉妬」じゃ。人の幸福を妬む。人の才能を妬む。人の成功を妬む。人の人気を妬む。
どんな人間も、妬むという心を持っちょる。これが人間の人相を悪うさせる元じゃ。
妬みを抱くと、それはいつのまにか恨みへとすり替わる。
恨みはいつのまにか相手に何か災いを与えてやろうという思いに変わる。
そういう心根が悪い人相を作っていくんじゃ。伸仁、嫉妬という心に勝たにゃあいけんぞ
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