溝口敦著 ”細木数子 魔女の履歴書” ☆
内容 (2006年11月に刊行)
視聴率の女王の正体!
2008年春、戦後の欲望史を象徴する稀代の女ヤクザが、ついにテレビから姿を消した。
細木数子70歳。古希とともに魔女の時代は終焉を迎えた。
本書は、細木の絶頂期に「週刊現代」で連載、6億円の損害賠償訴訟を起こされながら
テレビ降板へと追い込んだ渾身のルポルタージュである。
天中殺、大殺界、、、
いつの間にか、細木さんはTVから姿を消してしまいましたが、
細木さんのTV、夢中になって、観ておりました!、
渦巻く嘘と陰謀、
不安をあおりたてて、墓石などを売り付ける悪徳商法、
そして、、、まさか、こんなことがあったとは、、、
すっかり、騙されていた自分、、、
今、そんな過去の自分を振り返って、この本から学ぶことはたくさんあります、、、
暴力団、脅しにも屈することのない、ジャーナリズム、、、
著者と講談社の心意気に、心からの敬意を表します。
以下に、驚愕の本文よりその一部を転記します、、、
ある雑誌は細木の占い的中率は34%、外れ率は64%と算出している。
六星占術勉強会に潜入 恫喝と罵倒の渦
「大安」というのは、『大いに安ぜんよ』と書きます、『大いに安らかであれ』ということなんです。
この日1日絶対に物事はやるなという日なんです。これ知っただけで、あんた、この勉強会、
1万円の価値がある。ここに来たから、先生の話で学んだけれども、あんた達みたいなバカじゃあ、
何年、何十年かかったって、真実は分からないんです。みんな日本人、誕生日一緒ですか?、
でっかい声出せよ! 日本中の人が同じ誕生日?、同じ運命?、同じ宿命ですか?、違うでしょ?、
なのに日本中大安っておかしいじゃない」
客がカレンダーのページをめくると、
「何めくってんだよ!、誰もめくれって言ってないだろ!、バカ!」
「 暦というものは99%当たるんです!このカレンダーがあれば全てわかっちゃう。
だからってこれで金儲けしようたって駄目よ!、わたし、これ特許とってるんだからね!」
「でもさ、私みたいに金持ちになっちゃうと大変よ!、17億~18億、税金。個人では4億円です。
それでも私、宗教法人取らないよ。来月も前倒しで7億、払います。私は、国にしっかり税金払う」
過去、長者番付に登場していない者がなぜ4億円の税金なのか、解せない話である。
客席の老婆に、「バカ!、あんた、ばあさんのくせにバカだね!」
15分の休憩のあと、高飛車に墓の売り付けに入る。
「細木先生、お墓の話をする。お墓買わせて、騙して儲けるっていうバカがいる!、
だいたいお墓なんて何千万も払わせて、私が儲けるはずないじゃないか!、考えてみてください。
墓っていうのは、墓所、霊園が要る。どうして私がそれで儲けられるんだよ」
参加者は墓石屋からのバックマージンも知らないはずと舐め切っている。
細木はこうした話法でカモネギ商法にいそしむ。勉強会参加者はこの後、
むざむざ鑑定料10万円を払い込んだ上、個人鑑定、バカ高い墓石の買い込みと進む。
思慮なき人を身ぐるみ剥ぐのは悪徳商法と言わずして何と言うのか。
歴代首相の指南役、安岡正篤をたぶらかす
細木がたぶらかしたのは老いて正常な判断力を失ったが安岡正篤だった。
末っ子の伊藤節子は、
私が結婚したばかりの頃、私ども夫婦を前にして父は、
「男が誰にも頭を下げずに生きたいと思ったら決して肩書きと金と欲しがらないことだよ。
それを欲しがったら、下げたくない相手にも頭を下げなければならない時が来るからね。
出世したい奴にはどうぞお先にと言ってどんどん先に出世させてやりなさい」と話してくれました。
知れば知るほど、細木数子は「いやな女」の様相を深めるのだが、
同時に、彼女自身の野心が邪魔してのことだが、「哀れな女」の片鱗もかいま見せる。
柳川組の系譜を引く右翼の怒り
日本愛友党総裁・早川明生は TBS 社長・井上弘に抗議文を突きつけた。
抗議文には次のように記されていた。
〈日本愛友党はTBS に対し詐欺師・細木数子の正体を暴露し、抗議する。
細木数子は複数の暴力団幹部の元情婦だった。
細木数子は脱税容疑者である。
細木数子は京都の久保田家石材と共謀し、霊感商法で墓石を売り、暴利を貪っている詐欺師である。
以上のような反社会的な人物を出演者にして視聴者を欺瞞し、公共の電波を
視聴率至上主義の名のもとに金儲けするTBS は、細木数子を幇助している悪徳放送会社である。
TBS の企業倫理と企業の社会的責任を問いたい。
細木数子の出演は、社会道徳と空気の紊乱をもたらし、社会に害悪を及ぼす。
TBS は、即座に細木数子の放送出演を中止せよ。
しからずんば日本愛友党は、TBS を細木数子の共犯者として弾劾する〉
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