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2022年6月16日 (木)

横田増生著 ”潜入ルポ amazon帝国” ★


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内容
“世界最大の小売企業”アマゾンによって、いまや日本市場は制圧されつつある。
果たして、その現場では何が起きているのか――「アマゾン・エフェクト」の実態に迫るべく、著者は
『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』以来、15年ぶりにアマゾンの巨大物流センターに潜入する。
さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、
アマゾンのさまざまな現場に忍び込んでは「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。
私たちはこのまま何も実態を知ることなく、「アマゾン帝国」に支配されていくのだろうか……
日本人に大きな問いを投げかける力作ルポルタージュである



なるべく本は本屋で買う、ことにしてはおりますし、
配達員の方々の想像を超えた過酷な労働環境 を見知ってからは、なるべく買い物は徒歩でと、、、

それでも、どこに売っているのか分からないものなど、探し回るのが面倒でポチっとしておりますし、
アマゾンプライムで、映画や海外ドラマを楽しみ、
アレクサで、好きな音楽を聴き、ラジオを聞き、いろいろなことを教わり、、、
私は、まごうことなき、アマゾン帝国の住人であります!


それでも、、、この絶大な強力無比の帝国の実態を、
せめて、ほんの少しだけでも見知っておくのは、住人として大切だと思います。


その驚愕の実態のほんの一部を、以下に本文より転記します、




 

小田原物流センターでは、稼働から5年で5人のアルバイトがセンター内で死亡していた。
こうした事実が報道されることはほとんどなく、死亡事故は葬り去られてきた。


本国アメリカのアマゾンの正社員の労働環境については、
長い間、 アマゾン社員に結ばせる守秘義務契約が壁となり、これまで分厚いベールに包まれてきた。
そこに風穴を開けたのが「ニューヨークタイムズ紙」が158月に放った、
「 アマゾンの内幕:残酷な職場で壮大な事業計画と格闘する」という長文の調査報道だった。
100人以上の アマゾンの現役・元社員に取材して書かれたこの記事によって、
アマゾンのホワイトカラーの過酷な労働環境が白日のもとに晒された。


アマゾンのドライバーの話
「アマゾンで注文するお客さん全体に言えるんですけれど、自分で指定した時間にいないことも
平気ですし、その後で帰ってくると、30分しか家にいないのですぐに届けて欲しい、という無茶な人も
います。タダで何度も配達してもらっても、それが当たり前という気持ちがあるんじゃないですかね」

ヤマトのドライバーの話を聞いて、いつも感じるのは、彼らが常に時間に追われているということ。
それは荷物のほとんどが時間指定となっているからだ。時間指定がなければ、
例えば、時計の右回りのように効率良く配達することができるのだが、時間指定を優先させる為、
配達の順序が非効率になってしまう。

さらには不在率の多さもドライバー泣かせである。
国交省の調査では、宅配便の不在率は2割という数字が出ているが、それは机上の数字に過ぎない。
ドライバーは、不在の届け先には、12度、3度、多い時にはそれ以上訪ね、
それでも不在として残るのが2割なのである。


潜入取材を行った各国の記者が口を揃えて酷評する アマゾンの物流センターでのアルバイト体験。
こうした辛辣な言葉が事実に属していることは、国際機関によってお墨付きを得ている。
労働組合の国際組織国際労働組合総連合は、14年ベゾスを「世界最悪の経営者」に選んでいる。
その理由は物流センターの労働者が1日に24キロを歩き、
アマゾンが労働者を「ロボットのように扱っている」からだ。


マーケットプレイスの出品者の多くは、アマゾンに“生殺与奪権”を握られていると訴える。
アマゾンと出品者の力関係には大きな格差があることは歴然としている。
取引関係において、大きな格差が存在する場合、
強者が弱者に対し不当な商取引を強要しないよう目を光らせるのは公正取引委員会だ。
アマゾンは日本では、勝手気ままに振る舞っているが、
現状でそのアマゾンの行き過ぎた市場主義に、唯一ブレーキをかけようとしているのが公取委だ。


キンドル・リミテッドについてことの行方を見守っていた業界関係者はこう話す。
「やっぱり アマゾンはこんなやり方をするんだ、と驚く気持ちより、納得する気持ちのほうが
強かったですね。書籍や雑誌を提供した出版社に、何の相談も通告もなく、勝手に変更するのは彼らの
やり方なんだと思いました。いつもは、三方良しなどで耳当たりの良いことを言いながら結局、
読者のことも、著者のことも、出版社の事も考えず、自分達の都合だけを優先させる。それに対する
十分な説明もしない。一連の騒動を見ていてて、私からすると、馬脚を現したな、と思いました。
アマゾンのあげる顧客第一主義は、自社の利益に反しない限りという条件が付くんだな、と」


アマゾンジャパンは4月、プライム会員の年会費を従来の3900円から4900円に値上げした。
それでもアメリカの119ドル(13000円)と比べると安いという声もある。
値上げが嫌なら会員をやめればいい、という意見もあるだろう。しかしじっくり時間をかけて
利用者をアマゾン中毒にして抜け出せなくなくしていくのが アマゾン商法なのである。
アマゾンのヘビーユーザーが、アマゾンでの買い物を一切断って生活していくのは相当な困難を伴う。

果たしてそうした依存体質に陥って大丈夫なのか。

アマゾンが日本市場の過半を握る日が来ても、利用者である貴方や私は後悔しないのか。
もう一度、立ち止まって、アマゾンの情報を多角的に集め、分析し、判断することが求められている。

アマゾンを世界の“勝ち組企業”として礼賛する情報が溢れる現状で、
少しでも違う見方ができるような視点を心がけてこの書籍を書いた。
勝ち組企業というわかりやすい表の顔だけでなくて、
ベゾスという経営者の人間像、
労働者や組合活動敵視する経営実態、
税金の義務から死力を尽くして逃れようとする企業体質、

市場でマウントポジションを取ったら取引企業をギリギリと締め上げていく弱肉強食的な気質、
決算公告の義務を平気で無視する秘密主義、
―そうした全体像から アマゾンという企業消費者として冷静に再評価することが今、求められている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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