山本文緒著 ”恋愛中毒”
内容
--どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。
他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。
水無月の堅く閉ざされた心に、強引に踏み込んできた小説家の創路。
調子がよくて甘ったれ、依存たっぷりの創路を前に、
水無月の内側からある感情が湧き上がってくる--。
世界の一部にすぎないはずの恋が、私のすべてをしばりつけるのはどうして。
恋愛感情の極限を抉り出す、戦慄のベストセラー小説。直木賞作家の原点。
「自転しながら公転する」を夢中になって読み、
ワクワクと手に取ったこの本ではあった。
だが、しかし、、、
読み続けるのが苦しぃけれど、結末が気になるので、
片目をうっすら開けて、びくつきながら、なんとか読了。
息詰まるばかりの、ストーカーの胸の内、病的な執着の行きつく先にあるのは、、、、
衝撃的な恐怖を呼びおこす、これは恋愛小説なのだろうか、、、、
ナイーブな著者の陽の部分が、「自転しながら、、、」に、
陰の部分が、「恋愛中毒」に凝縮されたように私には感じられました。
けれども、病んだ心の闇を、ここまで描ける作家さんは、また、稀有な存在だろうと、、、
この本に、慰められるお方も少なからずいらっしゃるのだろうと、、、
著者のご冥福を心よりお祈り申し上げます、、、
以下に心に残った一文を転記します、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「母親に嫌われたくなくて、ずいぶん頑張って劇団に通ってたんですけど」
「そりゃあ、うっぷん溜まっただろう、でも言っとくけどな、
それはお前が勝手に溜めてたんだからな。
いい子なふりしておいて、あとで本当は嫌だったなんて言うのは逆恨みだよ、逆恨み。
子供だからって何でも許されると思うなよ 」
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