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2021年12月15日 (水)

宮本輝著 ”灯台からの響き”


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内容
本の間から見つかった、亡き妻宛ての古いハガキ。
妻の知られざる過去を追い、男は灯台を巡る旅に出る――。
地方紙で連載されていた人気作、待望の書籍化
!


著者の「流転の海」の虜となったおばさんは、このシリーズを大事にとっておいて、
淡々と進むミステリー仕立ての本作を手に取ったのでありました。

心に残った一文を、以下に転記します、






激烈なラーメン戦争に生き残ったその理由は、、、
「まったく何一つ変えなかったよ。確かに一時は客が減ったけどな、1123杯しか
出なかった日もあった。でも、お前のおじいちゃんが、人は過剰なものにはすぐに飽きるって。
『牧野』はどこにも負けないから安心しろって言ったんだ」

父の言った通りだった。ラーメン戦争はいつのまにか収束した。しかしブームが去るにはやはり
10年近くかかっている。一気に「まきの」に昔どおりの客足が戻ってきたわけではない。
その頃の経験で、康平は世の中は10年単位で大波小波がやってきて、
淘汰されるものは消えていき、耐えた者たちが、人も物もさらに基盤を強くすると学んだ。

 

両手を出していたから、この程度で済んだ。
ポケットに突っ込んでいたら、顔を打ち付けて歯は折れ、顎の骨は砕けていただろう。


「威風堂々と生きたいな。
 焦ったって、怖がったって、逃げたって、悩みが解決するわけじゃないんだからな。
 こつこつと、ひとつひとつ、焦らず、怯えず難問を解決していく。
 俺はそういう人間になるために、今から努力するよ」


無駄な邪推や余計な心配が俺の人生を小さくさせている。

 

 

 

 

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