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2021年12月 1日 (水)

海堂 尊著 ”ジーンワルツ” ☆


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内容(「BOOK」データベースより)

桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、
曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。
顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。
一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。

 

久しぶりの、海堂尊。
やっぱり面白い!、
産婦人科の医療問題に、果敢に切り込んだ本作は、
同時に日本の医療の問題点を赤裸々に暴き出している。

★★★★☆

心に強く残った一文を以下に転記します、





 

 


「それで現場の声が黙殺され続け、ピント外れの医療改革の余波を受けて、
 医療があっという間に崩壊させられたわけでしょう?」
「閉鎖世界で、官僚がご都合主義の理論構築を突き進めた結果、今日の医療崩壊を招いたんです。
 密室に、風穴を開けなければ・・・」
「高級官僚の皆さんてば、カルト教団の信者みたい。サティアンから一歩も外に出ず、
 外部の声に耳を傾けず、眼を固く閉じ、自分の中の理想郷にのめり込む。
 その結果、自分たち以外の世界がどうなろうと知ったことではない、という外部に対する
 ファナティックな攻撃性を有するようになったところなんて、瓜二つです」



(産科の現状について)
「要求ばかり高度になって、感謝が抜け落ちているから、
 現場を支える人たちがどんどん潰れていくんだ」

「本当は医者よりも助産師の方がお産に関してはプロなのにね。
 それに妊娠の2割は様々な異常で流産するという事実をみんな知らないのね、きっと」
「世の中の人たちの厳しすぎる視線と、役人の能天気な無理解が、現場を殺すのよね」


「ベストを尽くして力尽きた医師に手錠をかけ、自分たちの裏金疑惑には見て見ぬふり。
 こんなことを許していたら、警察や官僚は暴走し、自分たちの利益だけを追求するようになる。
 社会という生命体から見れば、それはマリグナンシー(悪性腫瘍)だわ」



非寛容な原理主義者である官僚の行為は
新医師臨床研修制度と相まって、地方大学病院の崩壊に荷担した。
経営に失敗した企業は潰れ、手術に失敗した医師が逮捕されてしまう時代だが、
行政の舵取りを間違えた官僚が逮捕されたという話は聞こえてこない。
今の医療崩壊は現場から出てきた問題ではなく、構造的に官僚たちの判断ミスが積み重なって
誘導された結果でもあるというのに、そうした事態を政策誘導した官僚は、誰も罪に問われない。
それどころか、引退後にはさらに無責任で高級の関連団体へと天下っていく。
これではまさに盗人に追い銭。



 

 

 

 

 

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