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2021年11月16日 (火)

宮本輝著 ”流転の海 第一部” ★


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内容(「BOOK」データベースより)

敗戦から2年目、裸一貫になった松坂熊吾は、大阪の闇市で松坂商会の再起をはかるが、
折も折、妻の房江に、諦めていた子宝が授かった。
「お前が20歳になるまでは絶対に死なん」熊吾は伸仁を溺愛し、
その一方で、この理不尽で我侭で好色な男の周辺には、幾多の波瀾が持ち上った。
父と子、母と子の関係を軸に、個性的な人間たちの有為転変を力強い筆致で描く、
著者畢生の大作第一部。



松坂熊吾という、、、
豪放磊落、暴力的でありながら、まっすぐな心優しき男に、完全に魅了されました。

このパンデミックに時の経つのも忘れて夢中になれる、力強い本を教えてくださった、
博子さんとケリーちゃんに、深く深く感謝致します、

★★★★★ 


強く心に残った一文をいくつか以下に転記します、






 

松阪軍曹は常々自分の部下たちにこう命じていた。
「戦争で死ぬくらい馬鹿げたことはないぞ。ええか。
 わしが『突撃』っちゅうたら、前に進んでるようなふりをして、安全な所に身を隠せ。
 わしが『後退』っちゅうたら、誰よりも先に逃げ出せ。
 死ぬなよ。鉄砲も空に向かって撃て。わしもお前らも中国人に何の恨みもないんじゃけんのぉ」 

 

「無条件降伏をして、新憲法ができ、日本は二度と軍国政治をせんなんて言うとりますが、
 憲法っちゅうやつは人間が作ったもんで、
 ほとぼりが冷めたらまたどうにでも変えられる代物ですけん」



「アホでも間抜けでもええんじゃ。健康が一番の財産じゃ。帝大を優秀な成績で出て、
 三十にもならんうちに肺病で死んだ奴が何人もおる。人間は死ぬために生まれて来たちゅうって、
 わかったような面してそこらの生臭坊主のインチキめいた悟りみたいなことを言う奴がおるが、
 そんなのは嘘じゃ。死ぬのは必然の成り行きよ。そのために生まれてきたんじゃあらせん。
 人間は幸せになるために生まれてきたんじゃ。幸せも人それぞれによって違うやろが、
 健康で長生きするっちゅうことは、幸せなことの根本をなすもんじゃ。
 わしはのお、神も仏も信じとりゃせんが、それに似た者がやっぱりあるような気がするのお。
 人間も、花も草、田んぼの蛙も、カラスも鳩も、雲も月も星も、
 みんなその正体のわからん何者かの掌の中から逃れられはせんのじゃ」 

 


熊吾は日本人でありながら、日本人が嫌いだった。不思議な民族のような気がするのであった。
姑息で貧弱で残虐だ。そして思想というものを持っていない。
武士道だとか軍国主義などは思想ではない。
哲学でもない。けれどもそうした低劣なものでさえ、人間の心を統率して整然とした行進を作り出す。
人間を戦争に向かわしめる根源の欲望とは一体何であろう。民衆はなぜ無力なのであろう。
なぜ戦争遂行者の言いなりにならざるを得ず、
しかも銃を持った瞬間、平凡な心優しい男たちが残忍な殺人者と化すのであろう。

 










 

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読書(た~わ)」カテゴリの記事

コメント

こんばんは 本日、私の名前を見つけ覚えていてくださったと感激‼️何年ぶりでしょうか?ずーっと拝読させて頂いてます。姪も今年中学生になって昨日13歳の誕生日でした。
流転の海完結し、私は長年の楽しみが無くなりましたが、これから完結編までどうぞ熊吾さんに何度も魅了されて下さい。時間が出来たらまた纏めて読みたいです。
私事ですが、昨年の5月に約5年闘病で入退院を繰り返してた父を見送りました。
4月に自宅に帰りたがり、主治医の先生もいつ急変するかわからないので叶えてあげましょうとおっしゃって下さり、日中の訪問等の介護福祉の手続きをしていた矢先、コロナで私がテレワークとなり、その必要もなく約3週間家族で貴重な時を過ごせました。急変するまで自分のことは自分でしていたので、私は介護したという実感がそんなにありません。介護認定もまだいらないと最後まで父らしい姿でした。保育園や学童の迎えをしてもらっていた姪も当時コロナで学校が長期間休校で、父と私の3人でテレビ見ながらお喋りして昼食をとって和やかな日々でした。
母は毎日デイサービスで楽しく過ごさせてもらってます。介護のブログはとても勉強になります。これからも素敵なブログ楽しみにしています❤️なんだか勝手に旧友に再会したみたいな気分で長くなってしまってすみません🙏お互い心身共に健康第一で‼️
博子

★博子さん、
まぁ!、コメントを戴いたのはもう5年も前のことですし、まさか、今まで読んでいてくださったとは!
もう本当にびっくりして、うれしくて、うれしくって、、、ありがとうございます💛

先ずは、姪御さんのお誕生日おめでとうございます♪
お父様の最後の時を、寄り添って和やかに過ごされたのですね、、、
なかなかできないことで、お父様は本当にお幸せなお方です、、、

この本が37年もの長い年月をかけてようやく完結したと聞いて驚きました。
しかも、しかも、お父上がモデルとは、、、
早く読みたいけれど、もったいなくて、、、
でも、あんまり時間をかけると、物忘れの進んだ私は忘れちゃうし、、、
あれこれ、うきうきしながら迷うのもまたたのしく、、、

5年前に図書館に予約して手元に届いたときは、バタバタしていて、一ページも読めないまま返却してしまいましたが、
こうして、パンデミックの今、楽しめるのもご縁かなと、、、
まだ完結しないシリーズ物で、私のお勧めは、山本一力の”ジョン・マン”です。

健康第一という言葉が身に染みる年になりました、、
博子さん、これからも、ときどき覗きにいらしてくださいませ、、、
どうぞよろしくお願いいたします。

お返事ありがとうございました‼️
著者のお父上のこととは知りませんでした。
後半続編が出るまで一年以上が待ち遠しいのと私の物忘れで😊この人誰だったっけ?みたいになったり。でもすぐに本の中に吸い込まれていきました。
是非、ジョン・マン読んでみます‼️ここで知った本も沢山読ませて頂き、嬉しく思ってます。コロナ前は、何十年通勤での片道40分の電車の中は読書タイムで、図書館のネット予約利用してからは、利用回数が800回を超えてて自分でも驚いてます。物忘れと同じくコンパクトな文庫本は、字が小さく厳しくなってきました。歳には勝てないと実感しつつも、健康のため、タニタのからだカルテを利用して毎日一万歩の達成に励んでいる今日この頃です。
今後とも、ヨロシクお願いします❤️

★博子さん、
図書館のネット予約利用回数、800回超えって、すごいですね!、ヽ(^o^)丿
私もずいぶん前から、単行本にシフトしましたが、わたしは、ほとんど家で本を読むのですが、
通勤時に持ち歩くのには、、、重くなりますよね、、、
単行本なら日中は裸眼で読めるのですが、夕暮れてくると、、、老眼鏡のお世話になってます、(^^ゞ

一日一万歩って、これまた、すごいです、、、
私は、5~7千歩くらいで、家から一歩も出ない日もあります、、、(^^ゞ

このところ、ヒットの本に次々と恵まれて、本の虫と化しております、、、
そんな、地味な本の虫をこれからもよろしくお願い致します、、、

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