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2021年3月 9日 (火)

桐野 夏生著 ”バラカ” ☆


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内容(「BOOK」データベースより)
震災のため原発4基がすべて爆発した!、警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。
ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪。
想像を遙かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!

 

あれから10年、少しずつ少しずつ、記憶の彼方へと薄れていく震災、、、
著者が描き出す津波の惨状は、それぞれの読者の独自の想像力で、
リアルな映像に増して強力なインパクトをもたらします、、、

福島第一原発が、水素爆発ではなく原子炉爆発を起こしたという設定のもと、
誰が味方で、だれが敵か、、、
物語は、次第に緊迫感を増してゆき、
疑心暗鬼のなか、ひとり、またひとりと、容赦なく落命してゆく。

評価の分かれる一冊で、エンディングにやや期待外れの感は否めないものの、
コロナ渦で知らず知らずのうちに心の奥底に溜まった澱のようなものを、
父を名乗る男の、おどろおどろしいばかりのグロテスクな毒が、
逆に魂を浄化してくれたように感じました、、、


大好きな桐野 夏生ですが、、
このところ、気持ちが外される本が続き、もういいかな、と思い始めておりましたところ、、、
はちこさんのガイドで手にした一冊。

稀有な時間を過ごせたのは、
ブログの、そして、はちこさんのお陰です、
ありがとうございます、











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読書(あ~さ)」カテゴリの記事

コメント

良かった、お気に召したようで!
コロナで家にこもっている毎日、この本を読んだ日はもう何もかも忘れて没頭できました。
福島の原発事故の影響ももしかしたら色々隠されているのかも?と思わされました。
海水もどこまで汚染されているのか、放射能は?と疑心暗鬼になりますね。
今後も面白い本、期待しています。

★はちこさん、
いや、ほんと、異様な世界に、コロナを忘れさせられ、すっかり没頭してしまいました!
素晴らしい御本をガイド下さり、ほんとうにありがとうございます!、

ちょうど10年、オリンピックの影響で、資材、人件費共に値上がりして、
被災地の復興の妨げになっている現状を、残念に思います、、、

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