滝本哲史著 ”2020年6月30日にまたここで会おう” ☆
瀧本哲史伝説の東大講義
内容(「BOOK」データベースより)
「君たちは、自分の力で、世の中を変えていけ! 僕は日本の未来に期待している。支援は惜しまない」
2019年8月に、病のため夭逝した瀧本哲史さん。ずっと若者世代である「君たち」に向けてメッセージ
を送り続けてきた彼の思想を凝縮した“伝説の東大講義”を、ここに一冊の本として完全収録する。
スタジオ収録盤にはないライブ盤のように、生前の瀧本さんの生の声と熱量の大きさ、そしてその
普遍的なメッセージを、リアルに感じてもらえると思う。さあ、チャイムは鳴った。
さっそく講義を始めよう。瀧本さんが未来に向けて飛ばす「檄」を受け取った君たちは、
これから何を学び、どう生きるべきか。この講義は、君たちへの一つの問いかけでもある。
なんてなんて、かっこいいひとなの、
一度でいいから、生の授業を受けてみたかった、、、
以下に、本文より、ジョージソロスやフリーメイソンの、実に興味深い話を転記します、
「ヘッジファンドの帝王」と呼ばれるジョージソロスという男がいます。彼はイングランド銀行を
潰した男とも言われていまして、サッチャー政権の時のイギリスの財政政策があまりにもひどいので、
「これから通貨のポンドが暴落する」と予言して、 巨額のポンドを空売りしたんですね。国に戦いを
仕掛けたわけです。それで困ったイギリス政府は一生懸命ポンドを買い支えたんですが、結局、
国の資金が尽きてポンドは崩壊、ジョージソロスは15億ドル儲けたというとんでもない男です。
・・・
唯一成功したことが「国中にコピー機をバラまく」ことでした。なんでコピー機をばら撒くのが
良かったかと言うと、共産主義国家では、 国内にあるコピー機や印刷機はぜんぶ国家に管理
されてるんです。つまり自分の意見や主張を紙で印刷して広く発表する方法がなかった。
ソロスが私財をはたいてコピー機をばらまいた瞬間から、
いろんな活動家が自分のビラをばらまくようになって民主化運動が盛り上がっていき、
その結果、母国のハンガリーだけでなく、ポーランドとかチェコスロバキアとかの東欧の国々が
ソ連から独立するのに成功したと言われています。
ブルームによれば、「教養の役割とは、他の見方・考え方があり得ることを示すことである」
・・・
経済学しか学ばない人、学べないような人は、実際あまり役に立たないんです。見方が一方的だったり
狭すぎたりして、学問の新しい理論やジャンルを開拓していくことなんてできないんですよ。
これは仕事でも同じです。学問や学びというのは、答えを知ることでは決してなくて、
先人たちの思考や研究を通して、「新しい視点」を手に入れることです。
何度も繰り返しますが、
「どこかに絶対的に正しい答えがあるんじゃないか」と考えること自体をやめること。
バイブルとカリスマの否定というのが、僕の基本的な世界観になります。
まだはっきり言いますが、「真の教え」とか「法則」みたいなことを言う人は全員インチキです。
教養の中で何を一番に学ぶべきか?、僕は言語が最も重要だと思っています。
皆さんが普段日常的に使っている言語、日本語、そこに秘められている凄まじい力を知って
とことん磨き上げて欲しいんですよ。
言語には二つの機能があると言われていますロジックとレトリックです。
アメリカ大統領のオバマさんは、 非常にスピーチが上手いことで知られていますが、
彼の話し方や聴衆の心に響く言葉の選び方、ものすごくレトリックが優れているんです。
非合理が一部の人の都合で温存されてしまうと、結局、みんなが不幸になるだけです。
思い切った変革というのは、若い人にしかできないんです。
明治維新というのは260年続いた江戸幕府という中央政府を倒して、欧米の国々に
肩を並べることを目指し、近代国家を樹立するというとんでもない革命だったわけですが、
実は凄く若い人たちがやっています。
明治維新の中心人物はほとんど全員、20代後半から30代だったんです。
内田貴先生は、トーマス・クーンの事例を例えに「古い世代の人たちは、新しい学問の潮流を理解する
ことができない。だから私の言っていることを理解できる日は永遠に来ない。フランスと日本が
地続きで繋がってると考えてるような人たちを、いくら理屈で論破してもしょうがないんですよ」
という話をしていました。
交渉は「言ったもん勝ち」ではなく、「聞いたもん勝ち」なんです。
まず相手の情報を集めて、最後の最後に一言、
相手にとって魅力的でユニークな提案をするというアプローチを取るべだったんです。
交渉の本質というのは、どっちかと言うと「情報戦」に近くて、
いかに相手が相手側から情報を集めるかで決まるんです。
フリーメイソンは、今は、ほんとしょうもない老人クラブみたいになっていますが、大昔の
ヨーロッパの知識人は、ゲーテとかモーツァルトとかも、みんなフリーメイソンに入っていました。
フリーメイソンは統治支配的だったカトリックに対して批判的だったからです。
「全知全能の神の教えに人間は従うべきである」というカトリックの教えに納得できない人たちが
「人間は理性を保っているのだからその理性に従って行動すべきだ」と考えて集まった組織が
フリーメーソンなんです。「神」のような超越した存在ではなく人間の理性を重んじるという考え方は
古くからの伝統があって、、彼らは人間の可能性を信じていたんです。そんな人達が
「自分達で理想の国家を作ろう」とイギリスから独立して建国したのがアメリカ合衆国なんですよ。
ニューヨークの自由の女神の台座には、「これはフランスのフリーメイソンからの贈り物だ」と
書いてあるんですが、彼らはそれぐらい力を持っていたわけです。
走り続けていたから、良いタイミングが来た時、波に乗れたんです。
いい波に乗るためには、波が来るのを見てから走り出しても遅いんです。
何が来てなくてもずっと上に立っていなきゃいけなくて、
その間ずっと、他の人から見たら「頭がおかしい人」である必要があるということです。
あなた、そうなれますか?
2020年の6月30日までに、やはり何かやりましょう。
僕もそれまでに何かやりますので、みんなで答え合わせをしましょう。
逆にひょっとしたら2020年6月30日の日本は本当に悲惨なことになっていて、
ここにいるみんなはすでに日本を諦めていて、誰も会場に来なくて
「僕も日本を脱出したんですけど、一応今日は約束したんで来ました」みたいな感じで、
「やっぱり駄目だったか―、残念!」みたいな感じになってしまうかもしれませんけど。
あとがきにかえて
「京大で教えている若い先生なら、新しい著者候補になるかもしれないな」という僕の軽い目論見を
遥かに越える衝撃の授業だった。数百人の京大生と壇上の瀧本さんとが、まさにバトルのように
意見を戦わせ、立ち見まで出るほどの活気が大教室を覆っていたのだ。
なんだこれは・・・?!
こんな刺激的な事業を、僕も高校生や大学生の頃に一度でいいから受けてみたかった!
切れ味しかないような発言や、徹底したロジックに裏打ちされた主張、
そして元マッキンゼーの投資家という肩書きから、「理屈のひと」というイメージが強いが、
実際に瀧本さんに深く接した人は皆、彼の本当の姿はその逆、「情のひと」であることを知っている。
・著者の、”僕は君たちに武器を配りたい!” は、こちらから、、、
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