滝本哲史著 “僕は君たちに武器を配りたい!” ☆
【内容(「BOOK」データベースより)】
これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための
「ゲリラ戦」のすすめである。20代が生き残るための思考法。
NHKクロ現で、すごい人がいる!と、圧倒されてながら、番組を見ているうちに、
すでに、鬼籍に入られていることに、愕然、、、
さっそく図書館に予約を入れて、もうそれはそれは、たくさんのことを教わりました!、
TOEIC の点数 も、簿記の資格も役に立たない、コモディティ化って、、、
いつのまにか、世の中はこんなことになってたんだと、呆然、、、
★★★★☆
以下に、心に残った一文を転記します、
2011年現在、日本の経済は冷え切っており、回復するきざしはどこにも見えない。
求人の情報も最悪だ。リーマンショック以降、
日本の大手企業は求人の数を大幅にしぼり、有効求人倍率は0.5倍前後を推移している。
これは職を求める人に対して半分ほどしか仕事の口がないことを意味する。
資格やTOEIC の点数で自分を差別化しようとする限り、コモディティ化した人材になることは
避けられず、最終的には「安いことが売り」の人材になるしかないのだ。
決められた時間に出社して、決められた仕事を決められた手順で行い、あらかじめ予定していた成果を
あげてくれる人、そういう人であれば、その中で一番コスト(給料)が安い人だけが求められるのが、
現代のグローバル資本主義経済システムなのである。
ビジネス本が火をつけた勉強ブームのおかげで、多くの人が一生懸命 TOEIC の点数を上げようと
努力したり、簿記2級の資格を取るといったことに精力を傾けている。
しかしそれが現在の世の中では意味を持たないことは、これまで述べてきたとおりである。
余談だが、パソコンのオンラインゲームに多くの人がはまるのは、
その世界では努力の有効性がまだ存続しているからではないだろうか。
・・・
「努力をして経験値を積み、お金を貯めて武器を揃えれば、立身出世ができる」というのが
オンラインゲームの世界観である。もともとそうした努力を尊ぶべき価値観は、現実の世界を反映して
いたはずなのだが、その現実世界では成功ルールが通用しなくなってしまったというのが、
いかにも皮肉なことに思えてならない。
日本の景気全体が良くなり、
この国で生きているだけで幸せになれる、という時代は残念ながらもう来ない。
特定の産業があるタイミングで大きくなり、そこで働いていた人が一時的に潤うが、
そこに後からやってきた人は報われない、という状況が繰り返されるだけだ。
社会に出てから本当に意味を持つのは、インターネットにも紙の本にも書いていない、
自らが動いて夢中になりながら手に入れた知識だけだ。自分の力でやったことだけが、
本物の自分の武器になるのである。そういう意味で、ギリシャ神話などの神話や
優れた文学が教えることは、人生の教訓を得るうえで非常に有効だと私は考えている。
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