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2019年6月11日 (火)

田辺聖子著 ”落窪物語”


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浪速のサガンこと、大好きな田辺聖子さんの御冥福を心よりお祈り致します、、、

今日の朝日新聞の訃報を知らせる記事より
「大阪のことばが好き。人の気持ちをけばだてないで、お互いに思っていることを融通よくかわしあう。
 相手を怒らせないように、こっちの言うこと聞いてもらう。それを笑いながら交歓するって文化風土なのね」


少し前に読んだ、
古典名作『落窪物語』を分かり易く現代文にした作品
初版出版:1983.11

この本の内容は、、、













内容紹介
貴族のお姫さまなのに意地悪い継母に育てられ、
召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられている、おちくぼ姫と青年貴公子のラブ・ストーリー。
千年も昔の日本で書かれた、王朝版シンデレラ物語。




著者あとがきより、、、

はじめにことわっておくが、この本はもともと「小学校上級から中学生向き」のためとして書いた。
・・・
「落窪物語」は王朝前期頃にできたと思われるが、
まだ謎が多く、その正確な成立年代も作者もわかっていない。
ただ『枕草子』には、『落窪」に触れた部分もあり、下品な小説だとおとしめている。
・・・
『源氏物語』には継母の腹ぎたなき昔物語」としりぞけられている。
・・・
『源氏物語』と読み比べてみると、『落窪』はずっと単純である。
善玉と悪玉がはっきりして、悪玉がやっつけられると、読者は溜飲が下がる思いがする、
人物は類型的だし、しかも描写が即物的である。――と、いかにも通俗小説の定石をふんでいるのだから、
文化人たちにおとしめられてもしかたがない。
しかし、その通俗小説が、『源氏』や『枕』とならんで千年もの命脈を保ったのだ。
千年ものあいだ、『落窪』は人に読まれ続けてきたのだ。
・・・
何たって面白いのだ。
類型的な登場人物が、なんとイキイキと動き回っていることだろう。通俗なすじだてなのに、
恋あり奸計あり、純愛あり自我あり、事件は事件を生み、錯綜は紛糾を生み、全く読者を飽きさせない。










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コメント

悲しいです。ひさびさになみだでした。ご冥福お祈りします。

★かもかのおっちゃん、
ほんとうに、悲しいです、、、

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