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2018年9月11日 (火)

捨て犬にこそ活躍の場を



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朝日新聞 9/8、フロントランナーより、以下に転記します、
国際セラピードッグ協会代表・ブルースシンガー、大木トオルさん 捨て犬にこそ活躍の場を

福島で出会った盲目の被災犬「光希」。初めて全盲のセラピードッグに育てようとしている。
抱き寄せると、穏やかな表情で体をゆだねた=千葉県松戸市


「イン・ザ・ムード」の軽快な調べに乗って、ワンちゃんたちがリードに引かれて次々と登場すると、
車いすのお年寄りたちの表情はみるみる緩み、手拍子がひときわ大きくなった。


(フロントランナー)大木トオルさん 「命あるものは幸せになる権利がある」
都内の特別養護老人ホームのホール。
育成したセラピードッグたちと共に月2回、入居者らの機能回復や心のケアを目的に訪問している。
心待ちにしてたのだろう。
「ユキノスケ!」「こたろう!」。お気に入りの犬の名前が、お年寄りから口々に飛び出した。
車いすの傍らで入居者の目を見つめ、シワシワの手をやさしくなめる犬たち。その頭をなでようと、
おばあさんが麻痺して震える手を5センチ、もう5センチと延ばしていく。
犬と一緒にリハビリに励み、杖で歩けるようになったというおじいさんもいた。

そして、、、



















どこか誇らしげな表情でお年寄りに寄り添う犬たち。彼らにはしかし、ある共通した壮絶な過去があった。
飼い主に捨てられて捕獲され、「安楽死」という名のもとにガス室で殺処分されかかったのだ。
寸前で救出され、九死に一生を得ていた。

「ミスター・イエロー・ブルース」の愛称で全米で活躍していた。米国の医療現場で
セラピードッグが活躍しているのを目の当たりにし、ライフワークとして日本に独自システムを導入する。
セラピードッグといえば、血統書付きの大型犬が一般的。
だが、1992年、殺処分寸前の1匹の小型の雑種犬との出会いが、現在の活動に結びついた。
チロリと名付けたこの犬は、虐待からか左耳は垂れ、後ろ脚に障害があった。
セラピードッグに育ててみると、恩返しをするかのように多くの人の心を励ます大活躍を始めたのだ。

「捨てられ、虐待を受けた犬たちは心の痛みを知っている。
 そんな犬たちの見返りを求めない無償の愛情だからこそ、人々のつらい心に届くのです」

以来、260匹以上に及ぶ犬を殺処分から救い、100匹近くをセラピードッグに育て、全国各地の施設を訪問。
2011年3月に起きた東日本大震災でも、家族を失って被曝し、
放浪の上に保護されて殺処分されかけた「被災犬」にも手を差し伸べ、「殺処分ゼロ」を訴えてきた。

米国の知り合いが口にした、
「日本には犬猫を殺すアウシュビッツ(収容所)があるんだろう?」という言葉が頭から離れない。
日本では、チロリになれなかった悲しい運命の捨て犬、捨て猫が毎年5万匹以上もガス室に送られているのだ。

「小さな命を救えない国は、人を救うことなどできない。
 命を不条理に奪うごうまんさを、子どもたちや世界中の人々にどう説明するのでしょう」
 (文・進藤健一 写真・伊藤進之介)
     *
 おおきトオル(67歳)
(3面に続く)













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コメント

きぬえさん

私もこの記事読みました。最後の言葉がことさら胸に響いて、週末はちょっと沈みました。
光希の表情が、本当によくて、だからなお切なかったのです。

もずさん、
大下さんと光希の寄り添う様子が、ほんとうにグッときちゃいますよね、、、
そして生き生きとうれしそうな老人ホームのお年寄りの姿が目に浮かんで、
なんとも胸が熱くなってしましました、、、

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