(ひととき)私にとっても宝物
9/20、朝日新聞、ひととき欄より転記します。
「私にとっても宝物」
私は写真屋です。
昨冬、成人の振り袖撮影のご予約をいただきました。お客様はダウン症の20歳の女性でした。
ご来店前は、正直、戸惑いがありました。
意思が通じなかったらどうしよう、笑顔は見せてくれるだろうか……。
撮影当日、きれいに振り袖を着て、満面の笑みでご来店いただき、心配なんて吹っ飛びました。
ポーズもしっかり取っていただいて、良い笑顔が撮れました。
撮影中も家族のこと、好きなこと、たくさん話しました。
障害者と聞いて、身構えて過敏になっていたのは、こちらなのです。
出来上がった写真を見て、「きれい! すごい!ありがとう! うれしい!」。
ありったけのうれしい言葉をいただきました。写真屋冥利(みょうり)につきます。
写真をしっかり胸に抱いて、「ほんとうにありがとう! 宝物!」と出て行かれた時、
お母様が「写真代は娘が働いたお金なんです」と、とても優しい笑顔で話してくれました。
もったいない。涙が出ました。こんなに重くて、ありがたいお金はいただいたことがありません。
またのご来店を、本当にお待ちしています。
(静岡県磐田市 江塚人美 自営業 52歳)
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