西加奈子著 ”サラバ!” ☆
内容紹介
西加奈子作家生活10周年記念作品
1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。
父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。
イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。
後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに――。
第152回直木賞を受賞した、上下巻二冊の長編。
著者と主人公は、同年、同じくイランで生を受け、幼少期をエジプトで過ごす。
著者の履歴を色濃く映す自伝的な小説。
息をもつかせず、次々と展開してゆくプロットは、さすが、直木賞受賞作品!
・・・だが、物語も後半になると、なんだか、わたしには、わからなくなってきた、、、
なんとも言えない、違和感を覚えるように、、、
★★★★☆
以下に、感銘を受けた一節を本文より、、、
「逃げ場みたいなもんやったんかも。」
あるとき、どうして(本や映画、音楽に)そんなに詳しくなったのか、訊いた僕に、須玖は答えた。
「家のことは嫌いやなかったけど、父親が酒飲んで荒れるタイプで。
兄ちゃんとようぼこぼこ殴りあってたし、姉ちゃんもすぐグレて。
けっこう家の中が殺伐としとったやけど、そんな中で本読んでたら、
なんやろう、この世の中にこんな世界があるんか、て驚いて。
家の中で本開いてるだけやのに、一気に別の世界に行けるやん。
・・・
小説だけやない。音楽も映画もそうやねん。
・・・
今俺がおる世界以外にも、世界があるって思える。」
須玖のその言葉は、のちの僕に影響を与えた。とても大きな。
・この本は市民図書でお借りしました、
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