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2015年2月22日 (日)

宮部みゆき著 ”名もなき毒”



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  内容
  『誰か』に続く、杉村三郎シリーズ第2
  今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、トラブルメーカーだった。
  解雇された彼女の連絡窓口となった杉村は、振り回される。
  折しも街では、連続毒殺事件が注目を集めていた。
  人の心に巣食う毒を圧倒的筆致で描く、吉川英治文学賞受賞作。




『誰か』が、わたし的にはいまひとつで、続けて手にとった本書の、
やや冗長な構成に、なかなか読み進むことができないでおりました、が、
ラストの畳み込むような展開に引きこまれました。
やはり、宮部みゆきです、またひとつ、私に知恵を授けて下さいました、、、


本文より、心に残った一節を以下に転記します、、、




 

 






「立派な人間と言いましょうよ、
こんなにも複雑で面倒な世の中を、他人様に迷惑をかけることもなく、
時には人に親切にしたり、一緒に暮らしている人を喜ばせたり、
小さくても世の中の役に立つことをしたりして、まっとうに生き抜いているんですからね。
立派ですよ、そう思いませんか」
「私に言わせれば、それこそが”普通“です」
「今は違うんです。それだけのことができるなら、立派なんですよ。
”普通“というのは、今のこの世の中では”生きにくく、他を生かしにくい“と同義語なんです。
”何もない”という意味でもある。つまらなくて退屈で、空虚だということです」
だから怒るんですよ、と呟いた。
「どこかの誰かさんが、”自己実現”なんて、厄介な言葉を考え出したばっかりにね」












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コメント

きぬえさん  こんばんは!
私には、余り馴染みのない作者ですが、最後の”心に残った一節”が
ズシンと響きました。
本当に!と、同感出来てしまうことも、考えてみれば淋しいことですね。
コンツェル広報室とか連続毒殺事件なんて活字があると、手を引いて
しまう、気合負けの軟弱Taoです。
でも、こうしてきぬえさんの消化済みの一節が胸に響くなんて・・・。
お礼を申し上げなければなりませんね。

Taoさん、
すごい怖がりの私でも読める本です、、、(^-^)
正直、途中で、本をおいてしまおうかと思うくらい、退屈な本でもありましたので、
大丈夫です、(^-^)

自分探しとか、自己実現とかいう言葉を耳にすると、
なんだか、ぞわっとしてしまう私の気持ちを、
見事に代弁してくれる、一冊でした、、、

そして、なにより、わたしを変えてくれたひとことがあったのです、、、(^_-)-☆
それは、ナイショです、、、(^^ゞ

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