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2014年10月11日 (土)

西原理恵子著 ”この世でいちばん大事な「カネ」の話” ★



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  『内容(「BOOK」データベースより)
   お金の無い地獄を味わった子どもの頃。
   お金を稼げば「自由」を手に入れられることを知った駆け出し時代。
   やがて待ち受ける「ギャンブル」という名の地獄。
   「お金」という存在と闘い続けて、やがて見えてきたものとは…。
   「お金」と「働く事」の真実が分かる珠玉の人生論。
   TV
ドラマ化もされた感動のベストセラー。』



小学校高学年以上程度を対象にしていますが、圧倒されました。
久しぶりに、五つ星をつけた本です。

辛酸をなめた著者と、苦労知らずのわたしの価値観が、なぜかとても似ている。


★★★★★


以下に、心に残った一文を転記します、














わたしの当面の目標は、「絵の仕事だけで月収三十万円」というもの。
この数字をどうやって割り出したというと、
まずは、「わたしはこれからもフリーランスで生活してゆく」と言うのが大前提だと考えた。
そうなると、会社に就職する人とちがって、毎月決まった額のお給料がもらえるわけじゃない。
万が一、病気でもして働けなくなったら、その間は何の生活の保障もない。
きた仕事をこなして稼いだお金だけが、そのままその月の収入となるから、
仕事が減ったり、どこからも依頼の声がかからなかったりしたら、収入は減るし、最悪ゼロになる。
だから、いざというときのために、何があっても月十万円は貯金しておきたいと思った。
こっちはカネの無い怖さが染みついているからね。ここはどうしたって慎重になる。



お金がなくてののしりあう両親。借金のために死んでしまった父親。
学校をやめさせられて何もかもなくして、いられなくなった田舎。
・・・
わたしの生い立ちは、わたしに、けっして振り返らない力をくれたと思う。
今、いる場所が気にいらなくたって、つらい思いをしている子だって、
その「嫌だ」って気持ちが、いつか必ず、きっと、自分の力になる。
マイナスを味方につけなさい。
今いるところがどうしても嫌だったら、ここからいつか絶対に抜け出すんだって、心に決めるの。
そうして運よく抜け出すことができたんなら、
あの嫌な、つらい場所にだけは絶対に戻らないって、そう決めなさい。
そうしたら、どんなときだって、きっと乗り越えることができるよ。
だって、わたしも、そうだったから。
わたしなんて、本当はちっとも前向きな性格じゃないのよ。
後ろを振り返るとこわいから、必死で前を見ているだけなのよ。
プラスばっかりだからって、いい人生になるとは限らない。
生きていけば、そういうこともだんだん、わかってくる。
プラスばっかりの人って、自分の居場所がすでに心地いいから、
そこからなかなか抜け出せなかったりするしね。
だからってもちろん、「マイナスでよかった」なんて言うつもりもない。
あんな悲しい、つらい思いは二度としたくないし、自分の子供にだってさせたくない。
だけど、たまたま配られた札が全部マイナスだったら、それをいつまでも嘆いていたってしょうがないよね。
ひっくり返してプラスにすることを、考えなくっちゃ。



人生だってそう。勝つことより、負けることの方がずっと多いし、負けてあたりまえ。
わたしにとってのギャンブルは、そういうときの「しのぎ方」を、型破りの大人たちから学んだ所だった。
ギャンブルでした失敗を、もう、どうしても笑えなくなったら、
それはもうその人が受け止めきれる限度を超えた負け方をしてるってことだと思う。
リミッターを超えてしまった。
そうなったら最後、坂道を転がり落ちるようにして、
ギャンブルはこわい本性をむき出しにして、その人に襲いかかってくる――。



若いうちは、今がつらいと、すぐ「サイアクだ」って思うだろうけど、
最初っから嬉しいことばかりの人って、すごく退屈してつまらなそうにしてるでしょ。
うれしいことばかりだと、うれしいことの中に、もう不満の種を探すからね。
それがどこに行き着くっていったら、「これじゃなきゃイヤだ」っていう考え。
雑誌の情報に踊らされて、服はこのブランドじゃなきゃイヤ、恋人もこのくらい収入がなくちゃイヤ、
マニュアル通りの条件がぜんぶそろわないと、しあわせになれないと思ってるとしたら、
それはもう、すっかり退屈してるってことだよ。



人の気持ちと人のカネだけは、アテにするな!



日本では年間で三万人もの人が自殺をしているという。
この数字は先進国の中でも異様な数なんだって。日本の交通事故死者数が年間で五千万人というから、
その六倍もの人が自殺を選んでいる。それを思うと、銃声の音は聞こえないけど、
「日本にもかたちのちがう戦場があるのかもしれない」って思う。
だって三万人って言ったら、ひとつの市や町の人口に匹敵するくらいの数だよ。
大地震が起きたわけでもないのに、市や町が丸ごと消滅したくらいの人が毎年毎年自ら亡くなっている。
・・・
そういう「死」が待っている戦場に、自分の子どもを送り込みたくなんかない。
母親のわたしは、強くそう思う。



(
アジアの国で)、人が殺された場合の、遺族への賠償金について。
ベトナムだと、日本円にして二十万円の金額だった。
その頃ベトナムの街じゅうを走っていた、ホンダ製の「ドリーム」より安い。
ドリームっていうのは、ホンダ製の小型のオートバイで、つまり「カブ」のこと。
あれが、日本円にして二十三万円くらいした。
人の命は、だから、カブ以下。
人の命のほうが、オートバイより三万円ほど安い。
人身売買される子どもの命は、それよりも、きっと、もっと、安い。
子どもを「商品」として売るために、計画妊娠をしてまで赤ん坊を生む親がいる。
犬に子どもを産ませるブリーダーじゃないんだよ。
人間が、人の親が、わずかばかりのカネのために、そんなむごいことをする。
売れ残ったしまった「商品」は、川に流されるか、捨てられるかするんだと、その国の人に聞いた。
運よく生き残って成長しても、そういう国の子どもたちは一生職業を持てないんだ、とも。
いずれにせよ、子どもたちには自分の生き方を選ぶ権利がない。
選べないんだよ、自分自身の生き死にさえも。
豊かになった日本という国からすると、想像を絶するほどの貧しさの姿がそこにあった。



わたしが育ったのは、高知県の浦戸っていう、漁師町だった。
 ・・・
そして港にはなんと、「野良ペン」がいた。
野良ネコじゃないよ、野良のペンギン。
遠く南極海まではるばる舟を出した漁師さんが、
「子どものお土産に」って、さっむい所からペンギンを連れて帰ってきちゃうの。
豪快っていうか、無邪気っていうか、海に出た船の上は治外法権みたいなところがあったので、
そういうムチャをやらかす人もいたんだよ。でも子供ってすぐに飽きちゃうでしょ。
飼いきれなくなって、その辺に放しちゃう。
それであったかい高知の海辺に、なぜか野良のペンギンがうろうろしていたというわけ。
野良ペンとは、わたし、よく魚のとりあいをして遊んだもんよ。













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