大橋巨泉著 ”知識ゼロからの印象派絵画入門”
内容紹介
時空を離れた西洋の画家たちと、
作品を通じて語り合うより絵を楽しむための「特等席」用意しました。
絵は何も言いません。
頼りになるのは作者とその題名くらいのものです。その題名も、画家自身がつけたものより、
画商や後世の評論家などがつけたものの方が、多いのが現実なのです。
しかも近いものでも100年、古いものだと600年も昔に画かれているのです。
そこでボクはスタンスを変えました。
画家と語り合うようにしたのです。近くに立ったり、離れたりして見ています。
これをボクは、画家と鑑賞者の「ひびき合い」と名付けました。
その日から、ボクはもっと自由に絵画作品と向き合えるようになったのです。
脱線した部分もありますが、それ程“自由に"鑑賞していただきたいと思っています。(あとがきより)
巨泉の特等席
土の匂い――ミレーからジャズが聞こえる
ハモンをつまみに――スペイン語のみのマネ
くり返すメロディー――同じ題材を画くモネ
雨に煙るパリの下町――ピサロの風景画
ドガの踊り子の心――“お嬢"の歌声を聞きながら
ルノワールの見果てぬ夢――冷やしたキール
力強いボーヌ――セザンヌも息抜きが必要? 良からぬ想像――ゴーギャンの得意技は?
何かに反抗するゴッホ――洋の東西が混在
スーラの情熱と才能――ジャズの“分割主義"
独断と偏見印象派・画家ランキングつき。渾身の書き下ろし。
著者の博学ぶりに、またしても脱帽、、、
ただ、残念ながら、絵の趣味がわたしとは、ちょっと傾向がちがいました、、、
以下に、こころに残った一文を転記します。
クールベの有名な言葉に、
「天使を画いてほしいというなら、ここに連れてきてくれ。オレは羽の生えた人なんて見たことないから」
というのがあります。
まさに「見たものしか画かない」と宣言したリアリストの言葉ですね。
ドーミエはある意味では、クールベ以上に旧体制と戦った人で、
第二帝政は危険人物として狙っていました。
ようやくジャーナリズムが芽生えたとはいえ、
文盲が多かった時代ですから、彼の風刺画は非常に効果的でした。
彼は何回投獄されても、筆を折りませんでした。彼の版画は世界中に残っています。
(日本では兵庫県の伊丹市立美術館に沢山あります)
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