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2014年6月30日 (月)

木皿 泉著 “昨夜のカレー、明日のパン” ☆

 

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『内容(「BOOK」データベースより)
 悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。
 七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。
 結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、
 まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、
 「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。』




2014
年本屋大賞第二位受賞作品、
テツコと、ギフと岩井さん、、、
みんな素敵なひとばかりでお友だちになりたいです、、、
いつの間にか、こころにとけこんでくる不思議な一冊。


★★★★☆

以下に心に残った素敵な一文を、、、













「話、でかすぎて見えないです」


「え?、風俗ってカタログから選べるの?」
何だか知らないが、すげぇと思った。自分のような者も選べる立場に立てるのか。
金の力、ハンパねぇ、と思った。



「夜の川って、けっこううるさいよね」
「そう。なんかやたらゴーゴーって」
「街の音が消えるとよけいにね」
テツコは前にギフが言っていたパチンコ店の話を思い出した。
閉店になったときのホールって、ただただゴォーって川みたいな音がしてるんだよね。
華やかな光や音楽が止んだとたんに、機械が玉を流してゆく音だけになるんだ。
なんだオレ、こんな殺伐としたところにいたのかなぁって。
生きてるって、本当はあんな感じかも知れないね。本当は殺伐としているんだよ。
みんな、それ、わかってるから、きれいに着飾ったり、
ご馳走食べたり笑いあったりする日をつくっているのかもしれないな。
無駄ってものがなかったなら、人は辛くて寂しくてやってられないのかもしれない。



小細工の好きな岩井さんは、徹夜してスペシャルなカードをつくってくれるだろう。
それさえあれば、うっかり自分の足元にある暗い淵をのぞきこんだとしても、戻ってこれるだろう。


  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



●多分本名じゃないだろうな、洒落たペンネームだなと、、、ウィキペディアより、、、

和泉務(いずみ つとむ、1952 - 、兵庫県神戸市出身、男性)と、
妻鹿年季子(めが ときこ、1957 - 、兵庫県西宮市出身、女性)のペアで執筆を行う。
二人は20071月に入籍している。現在は神戸市中央区在住。

和泉は漫才・構成作家として出発。妻鹿は京都精華短期大学美術科染織コース[2]卒業後、
商社勤務を経てシナリオライターとなる(当時のペンネームは本名の妻鹿年季子)。
その後、和泉は木皿泉のペンネームでシナリオを書き始めるが、
『やっぱり猫が好き』の脚本依頼を機にペアを組み、共同のペンネームとなる。
ちなみにペンネームの由来は「キザな和泉」から。

和泉は「すいか」の脚本の執筆後の2004年に脳出血で倒れ、病院で生死の境を彷徨い
(この時に妻鹿は入籍を決意)、
退院後は重度の後遺症のため妻鹿の介護と介護保険サービスを受け生活している。

妻鹿は「セクシーボイスアンドロボ」の脚本を書く頃からうつ病を発症し
(そのため457話の脚本が代理執筆)、治療しながら脚本を書いていたことを
インタビューや講演、著書「二度寝で番茶」などで赤裸々に語っている。
仕事の成功を祈願する時に生田神社に絵馬を奉納する。

二人とも大の読書家で、ドキュメンタリー番組ではバリアフリー化と共に壁という壁が
本棚にリフォームされている自宅の様子が見られた。エアコンも扇風機も必要が無いと言い、
脚本もワープロで書くなどアナクロなポリシーを持つが、探しても本が見付からない時は、
通販で買った方が早い、と言うなど合理的な一面も見られた。

互いに相手を「とむくん」「ときちゃん」と呼び合う。

共同で脚本を書くスタイルは独特で、
まずは二人で登場人物その他の設定を考え、後は妻鹿がほぼ一人で執筆していく。
そして妻鹿が行き詰ると
和泉が膨大な知識や経験を元にアイデアを捻り出し場面を展開していく、というもの。










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読書(あ~さ)」カテゴリの記事

コメント

きぬえさん、こんばんは。
木皿泉さんの向田邦子脚本賞を受賞したTVドラマ「すいか」はご覧になりました?
セリフのひとつひとつが素晴らしい、なんでもない日々の事柄を切り取って心にしみます。
あの天下の大女優、浅丘ルリ子に「私、厚化粧だーいすき、これが私の素顔なの!」と言わせちゃったり。。。放送時には視聴率は振るわなかったそうで観た人が少ないので、私、ことあるごとに周りに薦めて回ってます。DVDになっていますので、きぬえさん、まだでしたら是非是非。
「昨夜のカレー明日のパン」は木皿泉脚本で秋にドラマ化になると聞きました、ドラマのなかのお料理は高山なおみさん、と思われます。
ちょっとテンション高いコメントになってしまいごめんなさい。

かつらこさん、
うわさの「すいか」、まだ見ていませんでした、が、、、
かつらこさんの熱いコメントに思わず引き込まれてしまいました、、、

いつになるかわかりませんか、
「すいか」、見てみますね♪

高山なおみさんのお料理も、おいしそうで、
秋のドラマもたのしみです、、、(*^_^*)

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