重松 清著 “その日のまえに” ☆
神様は意地悪だから、大切な人を、遠くへ連れ去ってしまう
内容(「BOOK」データベースより)
僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。
昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。
消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。
死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、
そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。
こうして、このまま人生は、まだまだ続くものと思ってる。
それがある日、自分が、大切な人が、末期がんで余命数か月と告知を受けたら、、、
その日は、刻々と近づいてくる。
そして、その日は、やってくる、、、
あたりまえの日常を、見つめ直す、、、
平凡な、今日一日、今、この時の、大切さ、ありがたさを教えてくれる一冊。
いつも胡麻を分け合っていた、ご近所のTさん。
秋口にいつもの胡麻メールをしたとき、お返事がありませんでした。
どうしたのかなと思っていたら、年末に肺がんで亡くなったと、、、
咳がひどいから、と病院に行ったときにはもう余命三か月だったとか、、、
いつも、若々しく朗らかで、はつらつとしていらした、Tさんでしたのに、、、
父が亡くなったのは、わたしが中学生のときでした。
子を持つ今となって、その時の父の無念が少しは分かるようになりました、、、
中学生のお子さんを残して先立たれるTさんのお気持ちが、痛いほどに察せられます。
どんなにか、どんなにか、ご無念であったことでしょう、、、
★★★★☆
以下に本文より心に残ったところを、、、
平凡。平和。平穏無事。そんな言葉でまとめられる毎日の、冗談みたいなもろさを、ぷくさんは知っている。
二十年の教師生活で、ぷくさんは知っている。
おとなしい子にかぎって、いきなり教師をびっくりさせるような行動に出ることがある。
前触れをうまくにおわせることが苦手で、いったん気持ちを固めたらまわりが見えなくなってしまうのだ。
あなたのおかげでよくわかったんだけど、「幸せ」ってあっけなく終わるよ――。
« Nikon Df | トップページ | 築地 すし かつら »
「読書(あ~さ)」カテゴリの記事
- 一穂ミチ著 ”ツミデミック”(2025.03.19)
- 青崎 有吾著 ”地雷グリコ” ☆(2025.02.08)
- 逢坂剛著 「百舌シリーズ」☆(2025.01.18)
- 加藤シゲアキ著 ”なれのはて” ☆(2024.10.22)
- 青山 美智子著 ”リカバリーカバヒコ”(2024.09.07)
コメント