熊谷達也著 ”邂逅の森” ★
第131回(平成16年度) 直木賞受賞
第17回(2004年) 山本周五郎賞受賞
内容紹介
大正年間、身分違いの恋から故郷を追われたマタギの青年、松橋富治の波乱の人生を描く。
自然に対する畏敬の念あふれる雄大な物語
流石に直木賞受賞、第一級の文学作品。
東北の凍てつく雪山のマタギの富治と、もっと、ずっと一緒に居たい、、、
読み終えるのが、いかにも惜しい、
久しぶりの徹夜本。
★★★★★
以下に本文より、、、
そして、ウサギやイタチといった毛皮獣を飼育するよう、
政府が全国の農家に推奨しはじめたのもそのころだった。
「軍隊が必要とする毛皮を生産する、あるいは、外貨を稼ぐためにアメリカやヨーロッパさ毛皮ば輸出する。
それはお国のためだば仕方のねぇことかもわがんね。
だどもな、本来、ウサギの幸せは野山を駆け回ることだべ。
そうすた幸せを最初から奪っておいで殺すのは、けっしていいことではないのしゃ。
そうまですて獣ば殺さねばなんねぇ今の世の中は、徐々に狂ってきてるように、俺には思えてなんねぇんだ。
俺たちマタギも、自分らでもわがらねぇうちに、欲ば大っきぐうすらってすまったような気がする。
したがら、俺は組ば畳むことに決めたのだしゃ。あったけ獣の命ばもらって暮らしてきたさげ、
これ以上の殺生はもう十分だと思ったんだすな」
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漂泊の牙・・を随分前に読みました。熊谷達也にはずれなしとよく聞きます。読んでいて心地いいテンポでいっきにすすみますよね。人間がいかに自然とうまく生きられるか・・・
邂逅の森・・・興味ある1冊です。年末から食べてばかり、娘と孫三昧で一人の時間がそろそろ欲しいと思っていたので図書館にでも出かけてみます。
投稿: りん | 2014年1月 7日 (火) 09:16
”銀狼王”は、★三つ、というところでしたが、
この本は、、、笑いもありますが、凄絶です、、、
せっかくのとろりとした、お正月気分が吹き飛んでしまいますので、
もう少し後の方が、、、(^-^)
投稿: きぬえ | 2014年1月 7日 (火) 16:20