いとうせいこう著 ”想像ラジオ”
内容紹介
第149回芥川賞 ノミネート
2014年本屋大賞 ノミネート
かつてない大反響を呼んだ、いとうせいこう、16年の沈黙を破る新作小説。
【話題騒然!】
●読めば涙が止まらない。傷つき暴力衝動に駆られたこの社会に、必要な小説(星野智幸)
●圧巻。傑作。早くも今年のベスト3に入る作品に出会ってしまった(伊藤氏貴/読書人)
●著者の言葉の芸が総動員された小説のオペラだ(清水良典/ダ・ヴィンチ)
●荒唐無稽なシチュエーションこそが、現実以上の現実をあぶりだす。これが文学の力だ。
間違いなく傑作だ(中島岳志/毎日新聞)
●「想像すれば聞こえるはずだ」というストレートなメッセージに感動(沼野充義/東京新聞)
●夥しい死の事実を、どう受けとめればよいのか。生きている者にできることはあるのか。
その問いに真正面から向き合う(平松洋子/読売新聞)
●悲観と楽観の間で引き裂かれたわれわれの時代の「気分」を鮮やかに捉えている(松浦寿輝/朝日新聞)
●「必読」と言い切れる作品。今われわれにいちばん必要で、でもなされていない行為を、
ずばりと突きつけられた(「ダ・ヴィンチ」編集長 関口靖彦)
【あらすじ】
耳を澄ませば、彼らの声が聞こえるはず----。
「文藝」掲載時より口コミで話題を呼び、かつてない大反響に。
著者16年の沈黙を破る、生者と死者の新たな関係を描き出した心に深く響く物語。
ヒロシマ、ナガサキ、トウキョウ、コウベ、トウホク…。生者と死者の新たな関係を描いた世界文学の誕生。
この話題の大作が、、、正直、わたしにはよく分からなかった、、、
それでも、最後まで読んだのは、、、
3/11、忘れてはならない、あの日の思い、、、
★★★☆☆
以下に本文より心に残った一文を転記します。
「・・・そして水はどこで止まったか。海岸に平行に走る道路から分かれて・・・直角に山へと向かう
・・・堤防のような細い一本道の脇でぴたりと止まったのです。旧道です」
旧道で、ぴたりと?
「はい・・・戦前はこの旧道で、獲れた海産物やら伐り出した木材やらを運んで・・・いたようです。
山の道です。私は若い頃に関東からこの地に移り住んで、叔父の田畑を継ぎながら郷土史を
研究しましたので、よく知っております。しかしながら戦後の開発は急ピッチで進みました。
旧道などうねうねしているし、狭い。だから海岸沿いの土地を一本の線のように買い占めていって、
広い道路を通した。旧道は廃れた。おかげで私たちの生活は豊かになったのです。しかし・・・
そこまで、波が来ることを昔の人は知っていたのじゃないのかと私はつらつら思っております。
土地を削って低くし、海に近い道路沿いに家を建てればそれは・・・いつか流される。
そう知っていなければ、なぜ旧道のほんの少しの高さで水が・・・ぴたりと止まったのか。
そして私たち村落の人間の多くは、戦後の農地改革で旧道よりも海に近い側の土地に移されたのです」
「死者と共にこの国を作り直して行くしかないのに、
まるで何事もなかったように事態にフタをしていく僕らはなんなんだ。
この国はどうなっちゃたんだ」
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