百田尚樹著 ”永遠のゼロ” ★
®2011年にアップしたリユース記事です。
ゼロファイター、、、零戦パイロット、、、
彼、彼らは、、、
完全に打ちのめされました。
生涯忘れえぬ素晴らしい一冊。
活字に縁遠いわが家の輩のためにも、
ぜひ、映画化をと熱望します、、、
★★★★★
以下にアメリカと新聞社のことなどを、私自身の備忘録として本文より転記します、が、
・・・、ゼロファイターのお話は、本書で、、、
できれば、何の予備知識なしに、この湧き上がる熱い思いを、あなたも、、、
卓越した格闘性能、高速、そして長大な航続距離、
零戦はこのすべてを兼ね備えた無敵の戦闘機でした。
そして更に驚くことは、陸上機ではなく、狭い空母の甲板で発着できる艦上機ということです。
当時、工業国としては欧米にはるかに劣ると言われていた日本が、
いきなり世界最高水準の戦闘機を作り上げたのです。
これは真に日本人が誇るべきものだと思います。
この頃、撃墜した敵戦闘機の書類にびっくりするようなことが書かれていたと聞いたことがあります。
そこには飛行中に任務遂行をやめて避退してもよい場合として、
「一、雷雨に遭遇したとき、一、ゼロに遭遇した時」と記されていたそうです。
日本人が変わってしまったのはもっとずっと後のことだ。
日本は民主主義の国となり、平和な社会を持った。
高度経済成長を迎え、人々は自由と豊かさを謳歌した。
しかしその陰で大事なものを失った。
戦後の民主主義と繁栄は、日本人から「道徳」を奪った・・・と思う。
街には、自分さえよければいいという人間たちが溢れている。
六十年前はそうではなかった。
「アメリカは自由主義の国です。どこの国よりも国民の命を大切にする国です。
そのアメリカが第二次世界大戦で自由主義を守るためにナチスドイツと戦いました。
そして、1943年にドイツの軍需工場を爆撃するために、
B17爆撃機が戦闘機の護衛なしで昼間爆撃を行いました。
戦闘機の護衛がなかったのは、当時アメリカには航続距離のある戦闘機がなかったからです。
また、昼間爆撃をしたのは、夜間では工場を照準できないからです。
しかしこれは非常に危険な任務でした。
B17はドイツ空軍の激しい迎撃にあい、毎回40%以上の未帰還機を出したのです。
四度の出撃を生き延びる搭乗員はいなかったと言われています。
それでもアメリカ軍はヒットラーをナチスを倒すために、昼間爆撃をやめませんでした。
そしてアメリカ軍の兵士たちもまた勇敢にドイツの空に突入しました。
B17の搭乗員の戦死者は五千人を超えているのです。
この数は実は神風特攻隊の戦死者四千人を上回るものです」
「私はあの戦争を引き起こしたのは、新聞社だと思っている。
日露戦争が終わって、ポーツマス講和条約が開かれたが、
講和条約をめぐって、多くの新聞社が怒りを表明した。
こんな条件が呑めるかと、紙面を使って論陣を張った。
国民の多くは新聞社に煽られ、全国各地で反政府暴動が起こった。
日比谷公会堂が焼き討ちされ、講和条約を結んだ小村寿太郎の自宅も焼き討ちされた。
反戦を主張したのは富徳蘇峰の国民新聞くらいだった。
その国民新聞もまた焼き討ちされた。
この一連の事件こそ日本の分水嶺だと思っている。
この事件以降、国民の多くは戦争賛美へと進んでいった。
そして起こったのが、五・一五事件だ。
侵略戦争を収縮し、軍縮に向かいつつある時の政府首脳を、軍部の青年将校たちが殺したのだ。
話せばわかる、という首相を問答無用と撃ち殺したのだ。
これが軍事クーデターでなくて何だ。
ところが多くの新聞社は彼らを英雄と称え、彼らの減刑を主張した。
新聞社に煽られて、減刑嘆願運動は国民運動となり、
裁判所に百万を超える嘆願書が寄せられた。
その世論に引きずられるように、首謀者たちには非常に軽い刑が下された。
この異常な減刑が後の二・二六事件を引き起こしたと言われている。
現代においてもまだ二・二六事件の首謀者たちは
『心情において美しく、国を思う心に篤い憂国の士』と捉えられている向きがある。
いかに当時の世論の影響が強かったかだ。
これ以降、軍部の突出に歯向かえる者はいなくなった。
政治かもジャーナリストもすべてがだ。
この後、日本は軍国主義一色となり、これはいけないと気づいたときには、もう何もかもが遅かったのだ。
しかし軍部をこのような化け物にしたのは、
新聞社であり、それに煽られた国民だったのだ。」
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昨年、体調崩して入院していた時に読み、あまりにも感動して周りの人にも勧めまくりました。
病院にいると、お年寄りの方が多いので、点滴しながら寝ている姿を見ながら、「みなさん、こんな思いでここまで生きてこられたんですね…」と頭が下がる思いでした。
今まで戦争の話は避けてきていたし、読んだり見たりしてもなんだか遠い世界のことのような感じがしていたのですが、これは戦争という現実に目を向けるきっかけを与えてくれました。
特攻って、実際にはアメリカの陣地につく前に命が散っていたというむなしさ。
残酷で悲惨な内容でありながら、息苦しさを感じさせずさわやかに淡々と語り終え、最後には「ずんとした重さ」を感じさせるこの本には本当に素晴らしい。
浅田次郎さんの「終わらざる夏」を読んでいるのですが、こちらはなかなか読み進みません…。
きっと上巻の終わりくらいまで行けば、のめりこんで一気に行けるんでしょうが、なかなかそこまで到達できなくて…。
投稿: えびふらい | 2011年9月26日 (月) 08:36
をを~!、、この感動を分かち合える人が、、、ヽ(^o^)丿
ただ、うれしいです♪、
そうでしたか、、入院なさっていらしたときに、、、
病室で泣いちゃいませんでしたか、、、
浅田次郎さんの「終わらざる夏」、
なんでだか、手が伸びない一冊です。
「中原の虹 」「壬生義士伝」とあんなに感動したのに、、、?
もし、読み終わって大感動でしたら、
ぜひ、ブログにアップしてくださいね、(^-^)
映画化のことを検索していて、
こんなのを見つけて、
感動を新たにしちゃいました、、、(^^ゞ
これ作った人、素人とは思えません!、、
You Tube の、
”映画『永遠の0(ゼロ)』オリジナル予告編 ”、
もしお時間がありましたら、のぞいてみてください、(^-^)
投稿: きぬえ | 2011年9月26日 (月) 19:30
映画化されましたね。原作を読んで映画を観た友人はやはり原作がいいといってました。2時間位におさめるのはなかなか難しいことでしょう。映画だけ観て感動するのもそれはそれでいいと思います。活字を読む人が減少する今、ぜひ読んで欲しい一冊だと思います。戦争を知らない世代ですが大義とはなにか、あの戦争はいったい何だったのかと思い知らされるばかりです。高校時代に石川達三を読み戦争に興味を持ち始めいろいろなものを読みました。授業では教わることがなかった悲惨なことや不条理なことなどをしらなくてはと一生懸命でした。二度と繰り返してはならない戦争。
投稿: りん | 2014年1月12日 (日) 17:28
映画の評判も上々ですね、、、
本を全く読まない、うちのおじさんと、愚族たちに、ぜひ、映画をと、切望しております、(^-^)
投稿: きぬえ | 2014年1月12日 (日) 17:53
普段時間がなく読まない主人が・・・空飛ぶタイヤを買ってきて少しずつ読んでいますよ。三菱の隠蔽工作がむごすぎてすすめないと今少し断念してます。そこを読みこんでこそ面白くなり結末に向かうという素晴らしさもあるのですが。なんとか読み終えてくれることを願っています。
投稿: りん | 2014年1月13日 (月) 20:39
もしかして、この本だったら、、、と、、、
投稿: きぬえ | 2014年1月14日 (火) 08:53