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2013年9月24日 (火)

冲方 丁著 “光圀伝” ☆



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内容(「BOOK」データベースより)
なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。老齢の光圀は、
水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。
父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。
血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。
やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、
水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す―。
生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。



表紙絵の虎のごとくに猛々しい光圀が、
見事に描ききられている、まさに、著者渾身の一冊。
いったいどれほどの資料に埋もれながらこの一冊を為したのでしょうか、、、

大感激した『天地明察』の渋川春海も、本書に登場してきます。
そして、同じく大好きな、保科正之も、、、

介さん、角さんも出てきます♪

賢・能・仁・睦
「大義のひと」光圀、、、
幾度も共感を覚えては、涙しながら読みましたが、
いかんせん、“大日本史編纂”や、儒学、詩歌の下りがわたしには難解に過ぎました。

★★★★☆

以下に本文より、、、









沢庵曰く、、
「潔白ならば身の苦しみは大したことはない。身外の苦しみは些末なことだ。
後悔は身中に生まれて逃れようがない。どちらが苦で、どちらが楽か。選ぶのはその者自身だ」



古参の家臣たちからは、徳川幕府の存在意義が”泰平”にあることを、くどいほど聞かされていた。
書を読めば、戦乱で疲弊した国がどのようにして滅ぶかが詳細に書かれている。
孔子は戦を拒み、流浪の身となることを選んだ。孫子は兵法を記してのち、孔子の礼学を求めた。
戦う術を磨く者ほど、無用な戦いを避けることを第一とするのが常だった。



如才とは、礼の最も根本的な態度である。
死者や神々が、今そこに在すが如く振る舞う。



大同とは、理想とされる、あるべき社会の状態である。
賢・能・仁・睦という人の理想的なあり方を前提とし、
親子・老壮幼・男女の全てが適した役割を得て、誰もが孤独ではなくなる社会である。



「後楽園」
という名は、まず民を楽しませ、君主は民の後に楽しむ。
そう言う訓戒を込めた園庭であり、事実、光圀は家臣の不安をよそに、これを庶民に開放した。












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読書(あ~さ)」カテゴリの記事

コメント

いつも楽しみにそっとおじゃまさせていただいてます。
高田郁さんの「みおつくし料理帖」シリーズ読まれました?
そしてこの方の「銀二貫」読まれました?
きっときっとお好きかな?と思いました。
さわやかな季節 しっとりと本を読むのにいいですね。
でもいい本に出会うと家事がおろそかになっちゃうんですよね。

しかせんべいさん、
お久しぶりです、(^-^)
「みおつくし料理帖」シリーズ、何冊か読みました♪
巻末のレシピも作ってみました、、、

「銀二貫」、読んでみますね♪
今図書館に7、8冊予約を入れているのでその次に、、、

こんな地味なボログにいつも遊びに来てくださっていらっしゃるとの事、、、、
ありがとうございます、、、

さっそくお返事いただけてありがとうございます。
そしてもう一つお願いなんです。
「知覧からの手紙」も次にぜにぜひ加えてください。
美しい日本語でつづられた気品ある一冊です。
「永遠のゼロ」よりこちらのほうが今も私の心の片隅を照らしてくれています。
きぬえさんと同じ私も息子が二人おります。この時代に生まれていたらとつい重ねてしまいました。
冷蔵庫に入って喜んでるる若者・・・悲しくなります。

しかせんべいさん、
ありがとうございます、(^-^)
「知覧からの手紙」も読んでみますね、、、

わたしからも、おススメを二冊。
みおつくし路線では、山本一力の、”だいこん”、
そして、先日読み終えたばかりですが、
完全に打ちのめされたのが、、、”海賊とよばれた男”
・・・これは、もう、わたし的には、数年に一度めぐり会えるかどうかという極上の一冊でした、、、

「だいこん」ぜひよんでみますね。
『海賊とよばれた男 』 主人とこの前から「ぜったい読みたいね。」って本屋さんではなししていたところです。「文庫本になるのまってる?」って思ってたんだけど それじゃ待ちきれなくなっちゃった。
おすすめ ありがとうございます。
ちなみに 我が家も「かまどさん」です。おこげとりあいっこです。

しかせんべいさん、
まぁ、ご主人も読書をなさる、、、
うちのおじさんが本を読んでいるのをみたことがありません、、、(._.)

海賊とよばれた男は、出光の創業者のノンフィクションノベルです。

そして、しかせんべいさんも、、、かまどさんでしたか~、


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