「海に思う」
8/21、読売新聞朝刊より、一部を転記します。
「海に思う」
三陸 医師、山浦玄嗣さん (73)
三陸の海岸は、東日本大震災の爪痕を強く残していた。
豊かな自然とそれがもたらす惨状。思わず質問が口をつく。
海とは一体、何なのですか―――。
「そんなこと、生活に密着しすぎていて答えられねえ」
あっさりと一蹴されてしまった。
「・・・ジャーナリストはよく、そういう聞き方をするんだ」
三陸地方は再三、津波の被害に遭ってきた。
明治29年の津波で母方の一家11人が亡くなり、
昭和8年の津波には、その村の半分が流された。
山浦氏は、小さな頃から見たことのない津波の夢をよく見たという。
だから、震災が「『なぜ』起きたのか」・・と問うことに意味はないのだと話す。
「ここに住めば、30年~40年に一度必ず津波を体験する。
『それは仕方がねえ』ことです。
どうせ人間は死ぬ。理不尽なようにできている。家流された、親が死んだ。
そいつをぐっとのみ込んで、故郷を再建するしかねえ」
「この世は、神様が造った。何かのために自分は造られたのだから、
『こいつはいい奴だ、めんこい奴だ』と思っていただけるよう、
心の耳を澄まし、目を凝らし、神さまに何をすれば喜んでいただけるかを考え、行動するんです」
暑い夏にかみしめるように言った。
« 安食ロール | トップページ | 冷製ビシソワーズのパスタ »
「3/11 東日本大震災」カテゴリの記事
- ”復興のバトン、贈る手編み 生きる力に”・ご不要の毛糸を寄付♪(2020.03.10)
- 作: 森 絵都、絵: 吉田 尚令 ”希望の牧場”(2022.03.11)
- 四年前の約束、、、気仙沼、アンカーコーヒー(2015.12.07)
- ソーラーの小さな懐中電灯 、LEDネックライトとキャンドル(2018.09.08)
- 脱復興応援、WATALIS (ワタリス)(2015.03.04)
コメント