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2013年8月20日 (火)

佐藤 典雅著 “ドアの向こうのカルト 9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録” ☆



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  『内容紹介
   東京ガールズコレクションの仕掛け人としても知られる著者は、
   ロス、NY、ハワイ、東京と9歳から35歳までエホバの証人として教団活動していた。
   信者の日常、自らと家族の脱会を描く。 』


雨の日が何日も続いて、ようやく晴れた朝、
主婦のわたしはエンジン全開でせわしなく立ち働いてる。
そこへ、日傘を手にしたにこやかな二人組のご婦人がやってくる。
エホバの証人、、、?
なんで、
なんで~?、やる事、てんこもりでしょう?
ずっと、ずっと、不思議だった、なぞだった、、、
そのわけを知りたくて、手にとった一冊が、
その答えばかりではなく、ほんとうにいろいろなことを教えてくれました。
天性の明るさと強さ、賢さをあわせ持つ著者の、見事なまでの衝撃のノンフィクション、、、

★★★★☆

以下に本文より、一部を要約・転記します、、、









証人の多くは週三回の集会と伝道時間をこなすためにパートの仕事に就いている。
時間を調整できていい収入になる仕事はそうそうない。それで多くの証人たちがマルチ販売に走る。
・・・
両者には共通した宗教特有の三つの要素が含まれている。

一、絶対性(これが絶対の宗教、商品よ!)
二、純粋性(私たちの教義・商品以外は信用できない!)
三、選民性(私たちの教団・商品は選ばれている!)

極端に言えば、ナチスもこの三つの要素を持っている。
自分たちによるヨーロッパ支配は絶対に必要、ゲルマン族の血は純粋である。
ゆえに自分たちは統治する権利がある。
そしてこの三つの法則に加えて、宗教とマルチには四つ目の条件が備わる。

四、布教性(弟子を作ろう!)
この四つの点で、私はマルチは証人たちと変わらないと思った。



拍車のかかるネガティブムード
会衆の雰囲気はどんどん地味で暗くなっていく一方だった。
何かとすぐに「つまづく」と発言したり、どんなことでもサタンのせいにする信者の言動に嫌気が差した。
いい歳をした兄弟姉妹が集まって話すことと言えば、「エホバからの祝福ですね」ばかりだ。
とてもじゃないが、エホバからの祝福があるようには思えない。
また、信者は聖書を愛していると口では言っていたが、大半は聖書の深い部分には興味がなさそうだった。

なぜクリスチャンをやっているのか?、という質問に、姉妹たちは口を揃えていう。
「もちろん、楽園に入るためよ」
「じゃあ、もし楽園という制度がなくなったらどうします?」
「楽園がないんだったら、意味ないじゃない」



この信者たちの話を聞いていると、現実逃避のために伝道活動に入れ込んでいるようにしか聞こえない。
私の周りのおばちゃん姉妹たちは、真剣な表情で力を込めて拍手を送っている。
「悪いけどさ、ただの不幸我慢比べ大会だよね」
幸福である神の民の大会が、いつの間にか不幸な民の大会になっている。
しかもどうみても生活と家庭が崩壊してるのに、朝から晩まで奉仕をしてエホバの祝福に感謝している。
だけど私にはエホバが祝福しているようには見えなかった。



エホバは信じる。イエスも信じる。聖書も信じる。
しかしそれらは、組織と会衆の成員とは、別の話ではないだろうかと思い始めていた。
病気ばかりの成員、サタンばかりを語る姉妹たち、会社で評価されないのに会衆でうるさい長老たち、
そして教義を変えても謝罪しない組織。もうまっぴらだ。
そして証人たちは基本的に、投げやりな世界観を持っている。
「環境汚染反対、原発反対、戦争反対したところでサタンの世の中なので意味がない。
 全部エホバが楽園で解決して下さるから待とう」
「どうせ何をやっても世は変わらないから意味がない」

せっかく今回の人生を与えられたのに何もしない。
ただ、楽園行きのバスをバス停で待ち続けている人たちの集団。
これが唯一神が是認する組織なのだろうか?



「人生の答えを他の人に委ねた瞬間、自分の人生はなくなってしまう」



私は別にどの宗教も否定しているわけではない。
これだけ多くの宗教が世の中に存在するということは、そこに意味があるからだ。
存在意義のないものは世の中に存在できない宿命を持っている。
宗教が存続できるのは、それを必要とする人々がいるからだ。
需要と供給の結果である。ただしその必要度が高いがゆえに、宗教論争が常に起きているのも事実だ。
実際大半の戦争の原因の根っこは、宗教に根ざした価値観の違いにある。
宗教組織というのは、とても難しい。











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