福永武彦著 ”草の花”
内容紹介
研ぎ澄まされた理知ゆえに、青春の途上でめぐりあった藤木忍との純粋な愛に破れ、
藤木の妹千枝子との恋にも挫折した汐見茂思。彼は、そのはかなく崩れ易い青春の墓標を、
二冊のノートに記したまま、純白の雪が地上をおおった冬の日に、
自殺行為にも似た手術を受けて、帰らぬ人となった。
まだ熟れきらぬ孤独な魂の愛と死を、透明な時間の中に昇華させた、青春の鎮魂歌である。
学生時代に読んで大いに感化された衝撃の書。
ふたたび手にとった正統派純文学のこの本は、、、
「与えられた場所で生きられない人間は、どこに行ったって生きられないよ」
四十年もの間、わたしの心の奥底にしっかりと刻み込まれたこのフレーズに、
再びめぐり会い、しばし立ち止まって越し方を思い、、、
そして、途中ですが、ここで本を置きました。
こんなにも重く暗い本に夢中になっていた、自分と自分の青春時代を思いつつ、、、
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コメント
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懐かしいです。この表紙、そしてこの言葉!
私は何をしてきたのだろう? 忸怩たる思ひと 新しい風が立ったような心地。
そして・・・、あなたの最後の感慨に共感致します。
投稿: Tao | 2013年7月20日 (土) 21:27
やっぱり、さすが、元文学少女♪、(^_-)-☆
この難解な本をご存知でしたか~、、、!
もし、今この本を手にしているお若いお方を見かけたら、
「あなた、ずいぶん難しい本を読んでいらっしゃるのね~」と
思わず声をかけてしまうと思います、、、(^^ゞ
わたしは、途中で本を置いてしまいましたが、
Taoさんなら、きっと、今でも完読できると思います、、(*^_^*)
投稿: きぬえ | 2013年7月21日 (日) 08:51