内館牧子著 “十二単衣を着た悪魔” ☆
――― 源氏物語異聞
内容(「BOOK」データベースより)
59もの会社から内定が出ぬまま二流大学を卒業した伊藤雷。
困ったことに、弟は頭脳も容姿もスポーツも超一流。
そんな中、日雇い派遣の仕事で「源氏物語展」の設営を終えた雷は、
突然『源氏物語』の世界にトリップしてしまった。
そこには、悪魔のような魅力を放つ皇妃・弘徽殿女御と息子の一宮がいた。
一宮の弟こそが、何もかも超一流の光源氏。
雷は一宮に自分を重ね、この母子のパーソナル陰陽師になる。
設営でもらった「あらすじ本」がある限り、先々はすべてわかる。
こうして初めて他人に頼られ、平安の世に居場所を見つけた雷だったが…。
光源氏を目の敵にする皇妃と、現代からトリップしてしまったフリーターの二流男が手を組んだ。
構想半世紀、渾身の書き下ろし小説。
圧倒的な人気を誇る「源氏物語」ですが、わたしは、、、
ダイジェスト版を何冊か読んでみたものの、その都度、
・・・ただの女たらしじゃん、、、
なんでみんな、そんなに夢中になるの~?
そんな無知なわたしが読んだ、ちょっと違う(?)、源氏物語。
漆黒の闇に浮かび上がる銀色の月、こぼれるばかりの星空が見えてきます、
騒がしい鳥の声が、虫の声が聴こえてきます。
そしてそして、、、気がつくと活き活きとした源氏物語の只中に居るのでした。
・・・この荒唐無稽な物語の幕引きもお見事!
こんなにも面白い源氏物語、、、存分に堪能させて戴きました、、、
内館牧子様、誠に天晴れに御座います。
★★★★☆
以下に文中より、、、
心に残った大后の言葉、、、
「甘い。人は老い、時代は動く。いつまでも同じ人間が同じ場所に立っていられるはずがない。
必ず、若い者の世になる。それをわきまえることが大切。
若い者には負けぬと、あがいたり、みじめな画策をしないことが、人の品性というもの。
若い者には負ければよろしい」
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