« おいしいパン | トップページ | ハングリータイガーで新年会の巻 »

2013年1月 9日 (水)

宮本 輝著 ”蛍川・泥の河”



515yyjmudjl__sl500_aa300_t


内容(「BOOK」データベースより)
 
戦争の傷跡を残す大阪で、
河の畔に住む少年と廓舟に暮らす姉弟との短い交友を描く太宰治賞受賞作「泥の河」。

ようやく雪雲のはれる北陸富山の春から夏への季節の移ろいのなかに、落魄した父の死、友の事故、
淡い初恋を描き、
蛍の大群のあやなす妖光に生死を超えた命の輝きをみる芥川賞受賞作「蛍川」。
幼年期と思春期のふたつの視線で、二筋の川面に映る人の世の哀歓をとらえた名作。
 

暗く淀んだ泥の河。
そこには、残酷、不平等、未来、貧困、純粋さ、堕落、憧れ、、、
様々なものが、渾然一体となって浮きつ沈みつ流れてゆく。
★★★☆☆

以下に本文より、、、









「ほんまにいっぺん死んだんや。そらまざまざと覚えてるでぇ、あの時のことはなぁ。
真っ暗なとこへどんどこ沈んでいったんや。なにやしらん蝶々みたいなんが急に目の前で飛び始めてなぁ、
慌ててそれにつかまったひょうしに生きかえった。確かに五分間ほど息も脈も止まってた・・・
わしをずっと抱いてくれた上官が、そない言うとった。
死んだら何もかも終わりやいうのん、あれは絶対嘘やで」
「もう戦争はこりごりや」
「そのうちどこかの阿呆が、退屈しのぎにやり始めるよで」




「(借りたお金を)返すのは、おとなになってからでええでがすか?」
と懸命に涙をこらえて言った。
「おうよ、ええともええとも。おとなになって金を儲けるようになってからでええがや。
返せるお金が出けて、その時わしがもう死んでおらんかったら、返す必要はないがや。
ただ、あんたがきょう、わしからお金を借りたということは、間違いのないことにしとくがや」
大森は二通の借用書を作った。
無利子で無制限、貸方が死亡した時は賃借関係は消滅するという但し書きを
大森は大きい字で書き添えて自分の判を押した。














« おいしいパン | トップページ | ハングリータイガーで新年会の巻 »

読書(た~わ)」カテゴリの記事

コメント

一時期、宮本輝の作品を読んでいた時期がありました。
「蛍川」は映画化もしていますが、ご覧になりましたか?廓舟で客をとるお母さんの役を加賀まり子が演じていました、ものすごくきれいで印象に残っています。

eikoさん、
映画化していることも知りませんでした、、、(^^ゞ
加賀まり子、妖艶でさぞかし美しかったでしょうね、、、!、

宮本輝は、勧められて、やはり最近ですが、錦繍を読みました。
もうずいぶん昔に読んだ、優駿がいちばん心に残っています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« おいしいパン | トップページ | ハングリータイガーで新年会の巻 »

大好きな本

  • あさの あつこ: バッテリー
  • ブレイディみかこ: ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
  • ユン・チアン: ワイルド・スワン
  • 三浦 しをん: まほろ駅前多田-
  • 中坊公平: 金ではなく鉄として
  • 中脇初枝: 世界の果ての子供たち
  • 伊坂 幸太郎: 重力ピエロ
  • 住井 すゑ: 橋のない川
  • 冲方 丁: 天地明察
  • 原田マハ: 太陽の棘
  • 司馬 遼太郎: 竜馬がゆく
  • 吉田修一: 国宝
  • 和田 竜: のぼうの城
  • 天童 荒太: 永遠の仔
  • 妹尾 河童: 少年H
  • 小川洋子: 博士の愛した数式
  • 山崎 豊子: 沈まぬ太陽
  • 山崎 豊子: 大地の子
  • 山本 周五郎: なんでも
  • 山田 詠美: アニマルロジック
  • 帚木 蓬生: インターセックス
  • 帚木 蓬生: 三たびの海峡
  • 恩田 陸: 蜜蜂と遠雷 
  • 新田 次郎: アラスカ物語
  • 東山 彰良: 流
  • 桐野 夏生: グロテスク
  • 沢木耕太郎: 深夜特急
  • 浅田 次郎: 壬生義士伝
  • 浅田 次郎: 中原の虹
  • 畠中惠: しゃばけ
  • 百田 尚樹: 海賊とよばれた男
  • 百田 尚樹: 永遠のゼロ
  • 石森 延男: コタンの口笛
  • 石田 衣良: 4TEEN
  • 篠田 節子: 長女たち
  • 金城 一紀: GO
  • F・サガン: なんでも
  • R・チャンドラー: 長いお別れ
  • R・B・パーカー: スペンサー
無料ブログはココログ