桐島洋子著 ”マザー・グースと三匹の子豚たち”
内容(「BOOK」データベースより)
こんなに自由で大胆で国際的な母親がいた―。
40歳を目前にして人生のリセットと家族のリフォームを思い立った著者は、
超多忙な日本を脱出し、イースト・ハンプトンで1年間の大休暇を過ごす・・・。
子育てのバイブル復刊。
著者の「淋しいアメリカ人」を読んだのはもう何十年前になるんだろう、、、
mikiさんのガイドで手にしたこの本は、存外の面白さでした、、、
mikiさん、ありがとう♪、
★★★★☆
桐島洋子さんは、
中目黒のご自宅で、公開対談やクリスマス会、お話の会などの、
森羅塾を開催なさっていらっしゃるのですね、、、
ぜひ、伺いたいです!!!、
・心に残った一文を以下に、、、
―――アメリカでの借家暮らしで、冬の寒さに冬服で武装させた子供たちが、、、
「友達の家なんか暖かいんだよう、半袖でも全然平気なの。さすがアメリカって進んでるう」
といたく感心して帰って来る。
「なにが進んでいるもんですか。考えてもごらんなさい。
大きな家を丸ごとホッカホカに暖めたって、人間に直接かかわり空気はほんのわずかな一部分よ。
お茶を一口飲むために、大鍋いっぱいお湯を沸かして残りを捨ててるようなものじゃない。
そんなムダなことをしてたら、あなたたちがおとなになったころには燃やすものなんか残っていないわよ」
―――当時のマザーグースのブームには、、、
ともかく勉強になるのだから、ザアマスノッブだろうとなんだろうと、
マザーグースとつきあって悪かろうはずはないのだが、やはりどうも違和感をぬぐえない。
彼女たちはほんとうにマザー・グースのうたごえを聴いているのだろうか。
それはとにかくおキレイごとを好むザアマスノッブの上品ぶったネコなで声とは似ても似つかない、
したたかで奔放なうたである。
日本の新聞には、ただ「子供」と書けばすむものを「よい子」と書いたりする妙なクセがあるけれど、
マザー・グースにはそんな安っぽい偽善趣味はかけらもない。子どもなどというものは、
乱暴で残忍なエゴのかたまりで、ガキとでも呼んでおくのが一番ふさわしいという認識をふまえた、
甘やかしのない姿勢がいっそさわやかなのだ。
結局自分を守るのは自分だという甘えのない個人主義が、
社会の安否もその成員である個人個人の肩にかかっているという責任感を育て、
自発的な連帯行動や奉仕活動にもつながるのだろう。
権利と義務、そして自由と責任は必ず表裏をなすべきものだ、、、
最後のパーティで福引をして、
わざわざ日本へ持ち帰る必要のない日本のものを、親しい友達へのおきみやげにしよう。
すり鉢とかきゅうすとか出刃包丁とか、、、、。そうそう、一番人気はカッポウ着なのだ。
わたしがカッポウ着姿で台所に立っていると、
「まあ、なんて賢明なデザインでしょう!」
「これがあれば、パーティー・ドレスを着てからでも料理をしても大丈夫ね、
お客の到着時間間際になってドタバタとドレス・アップするあの騒ぎを省けるじゃない」
「わたしも欲しいわ。どこで買えるの」
と、女の客たちが口々に羨ましがるのである。
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