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2012年10月14日 (日)

牧野知弘著 “なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか” ☆



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内容紹介
 
駅前商店街の目立たない場所にひっそりと佇む、町の不動産屋。
ガラス窓には不動産物件のチラシが貼られ、中をのぞくとおじさん が暇そうに新聞を読んでいる・・。  

けれど駅前のそんな不動産屋は、町の中でしっかりと根づいて商 売をしています。
実は、彼らこそが不動産の本質をしっかりと理解しており、
不動産がいかに信頼に値するものであるかを、よく知っているのです。  

金融商品や預貯金、債券があなたに背(そむ)いても、けっして裏切らないのが土地。
土地の値段が上下するカラクリを知れば、不動産の持つ不思議な魅力がわかってきます!




キャッチ―なタイトルに釣られて手に取りました。
なぜ、町の不動産屋がつぶれないのか、その仕組みが手に取るようにわかりました。
不動産投資を勧める本ですが、
それだけではなく、上質な人生のガイドブックだなと感心して、
じつに興味深く拝読しました。


・・・いつものように図書館で借りた本ですが、読後に購入しました、、、


★★★★☆

以下に本文より、、、










2005
2008年にかけて日本で生じたミニバブルも、
まさにイナゴの群れ(世界マネー)の一部が舞い込んできた典型的な事例でした。
平成バブル崩壊後に大きく下落した日本の不動産は、その担保としての価値を大幅にダウンさせ、
これらの不動産に融資していた金融機関は多額の不良債権を抱えて瀕死の状態にありました。
これに目を付けたのが、ハゲタカ外資と言われる、あのテレビドラマに出てくる人たちです。
彼らはその不良債権を債権ごと日本の金融機関から「安値」で買い取り、
担保不動産の価値を向上させて、これを売却して売り逃げたのです。
人は「安値」で外資系=ハゲタカが「買い漁った」と表現していますが、
これはずいぶんな言いようだと思います。
安いと思ったのなら当時の日本人も買えばよかっただけです。
同じ金額でさえ「怖くて買えなかった」くせに
外資系が買ってうまくいったあとでこのような表現を使うことはまさに「負け犬の遠吠え」です。
彼らがこの商売で成功したのは、日本におけるこの不動産価格の行き過ぎた下落を読んで、
「場を張った」結果、そのギャンブルに勝ったからです。
イナゴ=世界マネーという投機資金が日本という畑、けっこう実りのある麦畑であったところに
一斉に襲いかかって、利益=果実を享受して居なくなったのです。




そこでやめればよいのです。ところがどの業者もここでやめられないのがこのビジネスです。
少し儲かればさらに儲けようとするのが人間の性です。
一度に得られる利益が大きいので、どうしてももう一度おいしい目にあいたくもなります。
これが「もっと大きく、もっと儲けよう」と考えることとなり、社員を増やし、
増やした社員を養うために過酷なノルマを課し、
ひたすら増収増益を求めてしまうのが、分譲マンション業者の宿命です。
・・・
ギャンブルは何によらず「身軽な人」がやらないと大やけどをします。
株で勝つ人と本質は何も変わらないのです。




それでも、土地で失敗する人はたくさんいます。購入時の過剰な借金が原因です。
ギャンブルの失敗の原因は株でも競馬でも不動産でも、借金をして大きく賭けると、
一時的に儲けが膨らむことに夢を見すぎて「やり過ぎる」ことです。
FX
も発想は同じです。FX会社では家庭の主婦でも簡単にできるという甘い宣伝文句で勧誘していますが、
借金をして一度に多額の取引を行うことは、
博打を打つという本質においてまったく異なるものではありません。
それなのに平気で、しかもかなり大胆に借り入れをして、
FXで大博打を張っている人が大勢いることには正直驚かされます。









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読書(た~わ)」カテゴリの記事

コメント

きぬえさん、こんばんは。今日実家から帰ってきました。
母が入院し、週末は1日3回食事介助に通っています。

この本、面白そうです。ぜひ読んでみたいです。
うちは何年か前、夫が年に1度宝くじを10枚買っていました。2、3年でしたけど、そのうち宝くじの発売自体を忘れているようです(笑)。
その頃、私にも1回買ってみてほしい。どっちが運がいいのか知りたいからと、わけのわからないことを言うので買いました。いわゆるビギナーズラックでしょうか、1万円当たったのです。正直にうれしかった私は浮かれてコーヒーを入れるとき、サーバーを倒しました。洋服が汚れ、もちろん周囲も汚れました。怪我がなかったのが幸いでした。私はこれが骨身にしみて、こういうばくち的なことで得をするといけないと思いました。笑っちゃうくらい小心なのですが・・・。きぬえさんが株のお話を書かれていますよね。あのお話もすごく印象深いです。人間だから得をしたい気持ちになったり、儲けた人がうらやましくなるときもあるのですが、きぬえさんが以前書かれていたお話は、私の中で大切な指針になっています。

もずさん、
がんばっていらっしゃるんですね、、、
どうぞ、くれぐれも、お体お大切に、ご自愛くださいますように、、、(^-^)

もずさんの、宝くじのお話、拝読させて戴きながら、
まぁ、なんて、かわいらしい人かしらと、思わず頬がゆるんでしまいました、(*^_^*)
宝くじは、国が胴元の安心安全な、でも、勝率の限りなく低いバクチですから、だいじょうぶです♪
どうぞ、大喜びでぱあっと使っちゃってくださいね、、、(^_-)-☆

基本、博打は、元手がゼロになる覚悟さえあれば、と思ってます、、、(^^ゞ

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