ジャック・タチ著 ”ぼくの叔父さん”
■ストーリー
ユロ伯父さんは変わり者の独り者。
プラスティック工場社長でモダンな邸に住んでいる姉婿のアルペル氏夫人にとっては、厄介者だ。
そんなことも気にしない、気ままでのんきなユロ氏は下町暮らし。
甥っ子のジェラールは、そんな伯父さんのことが大好きだ。
何とか一人前の男にしようと画策するアルペル氏はユロ伯父さんに仕事や女性を紹介しようとするが・・・。
これです!、、、上手いでしょう~?、(^_-)-☆
以下に、古くて新しいモダンなこの本より引用します。
なにかを追いかけていって、他人を蹴倒し、他人を敵視するというようなことはなかった。
叔父さんは人生の傍観者だったのだ。傍観ということは、平和に通じる道だ。
人がどっちにゆこうがかまわないというより、賛成するのだ。どこまでも譲歩するという態度なのだ。
これは誰の邪魔にもならない。
・・・
現在以上のことはなにも望まないということ。その「現在」は不足不満だらけでもいいのだ。
「よりよくなろうとしない」という素晴らしい哲学をおじさんはポケットにしまって生きているのだ。
よい夫で、よい父で、立派な社長で、経営ぶりもたしかである。
大体こんな人は人柄としてはあまり魅力はない。
そこへゆくと叔父さんは不思議なチャームをもっていた。
なまけものの魅力だ。
ぼくはこの雑然とした塵の流れのような街のなかをとびまわった。
はじめはなにやらきたならしく感じて茫然としていた。でも気安さもあった。
この気安さがどこからくるのかわからないが、とにかくなんとなく朗らかであった。
そしてなれるにつれて、快適を感じるようにさえなってきた。
ぼくの呼吸までが、普段よりはゆっくりして、呑気さを加えるように思えた。
この本の奥付にはなつかしい検印があります。
くりたさん、
すてきなご本を貸してくださり、ありがとうございます、
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