桐野夏生著 ”グロテスク” ★
®
以下本文より・・・
勝ちたい。勝ちたい。勝ちたい。
一番になりたい。尊敬されたい。
誰からも一目置かれる存在になりたい。
凄い社員だ、佐藤さんを入れてよかった、と言われたい。
誰か声をかけて。あたしを誘ってください。お願いだから、
あたしに優しい言葉をかけてください。
綺麗だって言って、可愛いって言って。
お茶でも飲まないかって囁いて。
今度、二人きりで会いませんかって誘って。
勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい、一番になりたい。
いい女だ、あの女と知り合ってよかった、と言われていたい。
誰の心にも潜む、おどろおどろしい醜いグロテスクなもの、、、
それを、東電OL殺人事件を元に、
冷静に、容赦なく、見事にすくい上げた作品です。
ずいぶん前に読んだのですが、
ことあるごとに思い出し、
いつまでも、いつまでも、こころに残っています。
もし、わたしに娘がいたら、
きっと、読んでほしい、と思う、一冊です。
★★★★★
・12年6月、追記
以前にアップしたことのあるリユース記事です。
佐野眞一著 “東電OL殺人事件”も、あわせて読み、
ゴビンダ元受刑者の、、、
無実を信じていました。
六月九日、朝日新聞より
12月の判決は逆転有罪だった。一審とは正反対の評価をした。
「やってなーい。神様、助けてください」
判決宣告の法廷に、日本語で叫んだ元被告の声が響いた。
それにしても、15年、、、
なんということでしょう、、、
もし彼が、ネパール人ではなく、欧米人や中国人であったなら、、、と無念の思いです。
司法の闇に、ようやく、ひとすじの光が差した気がします、、、
« いちじく | トップページ | nail salon CONSOLARE »
「読書(あ~さ)」カテゴリの記事
- 青崎 有吾著 ”地雷グリコ” ☆(2025.02.08)
- 逢坂剛著 「百舌シリーズ」☆(2025.01.18)
- 加藤シゲアキ著 ”なれのはて” ☆(2024.10.22)
- 青山 美智子著 ”リカバリーカバヒコ”(2024.09.07)
この人の本って何冊か読んだけど、心の奥底をえぐる心理描写が多くて怖い。
これ、新刊?
さがしてみるね。
投稿: mieko | 2008年1月30日 (水) 06:21
★mieko,
・・・、でもって、このひと、美人だよね~、(*^_^*)
新刊じゃなくて、もう、ちょっと古い本だよ、
投稿: kinue | 2008年1月30日 (水) 08:36
読んでみる。
このおどろおどろしい文章に、すごく興味ある。
私もこの桐野夏生という人、美しい人だっておもいます。
投稿: bigmom | 2008年1月30日 (水) 10:02
★bigmomさん、
うん、ぜひ~♪
ちょっと古い本なので、図書館でも予約入ってなくて、
すぐ借りれるだろうし、
ブックオフなら、ハードカバーで、百円だよ~!
きれいな人だけど、・・・
bigmomさんのほうが、ゼ~ッタイ、美人です、
ヽ(^o^)丿
投稿: きぬえ | 2008年1月30日 (水) 21:21
この人の本って、心の奥底に潜んでるエグイ部分を書くのが上手よね
結構、好きで ほとんど読んでるよ
これもよんだ。。。
今、丁度「森に眠る魚」を読み始めたとこ
ママ友の話なんだけど、これからどんなてんかいになるのか楽しみ♪
投稿: mieko | 2012年6月10日 (日) 08:27
面白かったら、おしえて、、、
桐野夏生さんの本では、このグロテスクがダントツNO1で、あと、OUTが良かったな~、、、(^-^)
でも、直木賞受賞作の「柔らかな頬」が、イマイチで、
東京島はゼンゼンダメだったのよ~、、、(>_<)
投稿: きぬえ | 2012年6月10日 (日) 23:27
うん、東京島は途中で捨てた、、、
投稿: mieko | 2012年6月13日 (水) 20:22