宮尾登美子著 ”きのね” ☆
内容
チョン…鋭く冴えかえった拍子木の響き(柝の音)が、光乃のその後の運命を決めた。
歌舞伎者の家に奉公にあがった光乃は、
のちに不世出の名優と謳われた御曹司・雪雄に仕えるようになる…
女たちが夢を見つつ生きた長い歳月の哀歓を、玲瓏たる文体でつむぎだす宮尾文学の精華。
女の一生を描かせたら、
まずこのお方の右に出る者は居ない、と思っております。
歌舞伎好きだった母のお供で、なんどか歌舞伎座に参りましたが、
その都度船をこいでしまう無粋なわたし、、、
そんなわたしでも、幕開けを知らせる拍子木の、
空を切り裂き力強く響きわたる析の音には、全身が粟立つ思いを致しました。
析の音、きのね、、、
「きのね」に心を打たれた光乃の波乱万丈の一生のお話です。
一世を風靡した海老様こと、
十一世市川團十郎の妻、千代が光乃のモデル。
その凄絶な生き様には、言葉を失います。
梨園に興味のないわたしですら、
時のたつのを忘れて夢中になる素晴らしい本。(上下巻)
・・・、古い本ですので、図書館で待たずに借りることができます。
★★★★★
AKIKOさん、素敵なブックガイドを、ありがとうございます!
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こんにちは。
私も歌舞伎を見ると必ず舟を漕いでしまいます。あの雅楽の調べには強烈な睡眠導入効果があるような・・・
今の海老蔵さんに11代目団十郎はもちろんあの千代さんの血が流れていると思うと素晴らしいですね。
遅ればせながら800000アクセスおめでとうございます!
それから事後報告ですみません、弊ブログのブックマートに入れさせていただきました。よろしくお願いいたします♪
投稿: cuckoo | 2011年12月13日 (火) 21:22
なんと、cuckooさんも船を~?、
あの雅楽の調べで眠りにつくのは最高の贅沢ですよね、、(^^ゞ
海老蔵はあまり好きになれなかったのですが、
あの千代さんの、と思うと私も見る目が違ってきました。
わたしも、ブックマークに入れさせていただきますね♪
これからも、どうぞ、よろしくお願いします、m(__)m
投稿: きぬえ | 2011年12月14日 (水) 08:36
きぬえおはよう(o^-^o)読み終わりましたよ、すごい感動と共に。これは小説の域を超えてござんすねぇ。アッ、太郎しゅうさんの口調になっちまった:(≧m≦)読み始めた時は、言葉遣いは古いし、雪雄のあの傍若無人振りが、何ただのDV夫の話?とか思って中々進まなかったんだけど、段々引き込まれて下巻はあっという間に。上巻の後半部分に、お光ちゃんの「これがあたしの運命、なにごとも辛抱」ってつぶやきが、ある意味私にとって今後も救いの言葉になると思う。私も今の会社に入って14年。私の2年あとに入って来た同僚から、いろいろ我慢させられる事があるのよ。でもこの本読んで、私の我慢なんてお光ちゃんに比べたら足元にも及ばないわって思える。だって実話だものね。この本を紹介してくれたきぬえに感謝
私はまだ歌舞伎を一度も観たこと事ないから、新歌舞伎座になった事だし、ぜひ成田屋の芝居を観に行こうと思う(/ ^^)/アリガトネ
投稿: 宍戸えり | 2013年3月30日 (土) 09:51
>お光ちゃんの「これがあたしの運命、なにごとも辛抱」ってつぶやき、、、
えりから、言われて、改めてわたしもズンと来たよ~、、、!
歌舞伎に、がぜん興味がわいてきた?
わたしも同じ、、、(^^ゞ
亡くなられた団十郎、、、残念、無念、、、(:-:)
そのうち、ひと幕でも、三階からとか、安い席で一緒に行ってみようか、、、(^-^)
投稿: きぬえ | 2013年3月30日 (土) 17:40