宮本隆治アナの思い出

結婚式の司会は、知人の紹介で、
当時ＮＨＫのアナウンサーだった、宮本隆治氏にお願いしました。
そして、プロのお手並みを間近に拝見して、ただただ感心したのでした。

ダンディーな宮本氏が、厳かな式の導入部を格調高く見事に演出していきます。
宴もたけなわとなると、二人のそれぞれのアルバムの写真を複写して、
氏が作って下さった、生い立ちのスライドショーを上映して下さいました。
それがまた、面白く造られていて、たとえば、
スクリーンに、小型飛行機が映し出されると、
宮本氏は、「皆様、ご覧ください！、これが新郎の愛機です！」
・・・すると、場内は、驚きの歓声と、嫉妬のため息に包まれ、、、
次の瞬間、その愛機を手にした、うちのおじさんの写真が映し出されると、
場内は、爆笑の渦に、、、(^o^)
そう、それは、模型飛行機だったのです。
氏が作ってくださったスライドショーは、私たちも観るのはその時が初めてでしたので、
多いに楽しませていただきました、、、

サカナにされたのは、私も同じでした、、、
こちら の記事にも書いたとおりですが、
「先ほど、控え室に所用で参りましたが、、、驚きました～！、
　なんと、新婦のジーパンとセーター、スニーカーが、
　そこら中に脱ぎ散らかしてあったんです！」
まるで実況さながらに、面白おかしく控え室の惨状をお話しなさるので、
みなさま、爆笑！、オオウケ！、、


　　　　式場の美容室に、ドレスの着付けと髪飾りのセットをお願いしていたのですが、　
　　　　誰も来ない、遅いなぁと、ふと時計を見たら、入場５分前！、
　　　　うっそぉ！、
　　　　慌てふためいて、パニエをはき、ドレスブラックの一万円ウエディングドレスを着て、
　　　　髪をまとめて、自作の髪飾りをセットしたところで、、、お迎えが、、、
　　　　ギリギリセーフ、
　　　　脱いだ服をたたむヒマなんて、、、ありませんよ～！

　　　　あとから、美容室の方が、忘れていましたと平身低頭で、５千円返金して下さいました。
　　　　・・・モデルの仕事で、ウェディングドレスを、何百着と着た私には、
　　　　　　　これくらい、への河童で、なんか得したな～、とほくそ笑んでおりました、、、
　　　　
　　

わたしは、、、新婦をネタに、こんなこと、フツ～、言わないよな～、、、と、
あきれながらも、一緒になって大笑いしてました、、、
なぜって、、、それは、私が、お願いしたことだから、です。

式の要望を聞かれたとき、とにかく、来てくださる方々に、
楽しんでいただきたいと、それだけを、お願いしたのです。

初めての方が隣り合う堅苦しい雰囲気の結婚式場を、気がつくと、
笑顔と笑い声がさざめく、アットホームな雰囲気で包み込んでしまう、
プロのアナウンサーのお手並みたるや、
それは、それは、、さすが、、と、感心するばかりなのでした。


クライアントの要望と、その人となりを的確に把握して、
瞬時に場の雰囲気を読み取り、あるときは、格調高く厳かに、
またあるときは、笑いの渦を巻きおこし、その次には、ほろりと涙をさそい、、、
臨機応変、紅白歌合戦の司会を何度も務められたお方はさすがに、、、ちがいます。
自分の結婚式でしたが、、多才な宮本氏のプロフェッショナルな仕事ぶりに、
すっかり心を奪われて、時のたつのも忘れてしまいました。

淀みなく、計算されつくしたトークは、
結婚という格式をおとしめることなく、集まった方々の心を解きほぐしながら、
寿ぐ雰囲気を同時に高めてゆく、それは、鍛え抜かれたプロの仕事でした。


たくさん笑い、ほんの少し涙して、、、
存分に楽しんで下さったご様子の上気したお顔の皆様をお送りしながら、
・・・、わたしは、とても、、しあわせでした。

宮本アナ、素晴らしい式を、本当にありがとうございました、、、