三浦しをん著” まほろ駅前番外地” ☆
内容
多田・行天コンビが主人公の人気シリーズ、『まほろ駅前多田便利軒』のパート2は
“番外地”と銘打って、
多田・行天の物語3篇に加え、本篇の脇役が主人公となる短篇4篇を収録。
若き地元ヤクザ星良一、生意気小学生の田村由良のほか、
意外な人物もフィーチャーされます。
大好きな三浦しをんの、
大好きな『まほろ駅前多田便利軒』の続編です、
読まないわけには、いきません~!
この、なつかしい独特でコミカルなテンション、、、
やっぱり、好きです、また、読みたくなりました、
『まほろ駅前多田便利軒』
★★★★☆
以下本文より、、、
・舌切り雀の話から、、、
「おっきいほうにはぁ、ガラクタが入ってるの」
「あー、あの話、ヘンだよね」
行天はチーズケーキを食べ終え、指を舐めた。ハイシーがくすりと笑う。
「どうヘンなの?」
「俺だったら、ガラクタをとりあえず風呂敷に移してから、
ひとを試すようなまねをする雀を一羽一羽、絞め殺す」
風向きが怪しくなってきた。
「それから?」
「それから、大きい葛籠いっぱいになった雀の死骸を持って帰って、
ガラクタで焚き火してあぶって食う」
今日の夕飯は、なにか、腹に溜まるものを用意したほうがよさそうだ。
・四人しかいないのに、お土産のケーキを五つに切り分けた行天に、、、
「だいたい、なんで、五つに切り分けたんだ。素直に四等分すれば簡単だっただろう」
紙箱の中には、小さな三角形が一切れ残っている。
行天は視線だけを床のチワワに向けた。
犬にケーキを食わせちゃいけないんだ。行天。多田はこめかみを揉んだ、、、、
由良は諦めを知っている。
むなしさに押しつぶされず、さびしさをやりすごすために必要な、
生きるうえでのたしなみだと思っている。
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