宮尾登美子著 "錦”
要旨
若くして京都・西陣で呉服の小売りを始めた菱村吉蔵は、斬新な織物を開発し高い評価を得る。
しかし模造品が出回り辛酸を舐めた末、
元大名の茶道具の修復をきっかけに、より高度な作品を手がけるようになった。
そして、ついに法隆寺の錦の復元に挑むが…。
織物に全てを懸けた男の生涯を描く渾身の大作。
宮尾文学の集大成。
龍村美術織物の初代・龍村平蔵(小説では菱村吉蔵)の生きざまを描いた長編小説です。
着物に造詣の深い方なら、どんなにか楽しめる一冊であることでしょう、、、
法隆寺裂、正倉院裂、名物裂などの古代織物の復元など、
その何かにとりつかれたかのような、
常人とは思えない並外れた仕事ぶりには、ただ、ただ、感服するばかりです。
さらに、彼を取り巻く三人の女性たちが、より深く、あでやかに物語を織り上げてゆきます。
ただ、わたし的には、やはり、"蔵"など、
女性を主人公にした著者の作品のほうが、好きだな、と思いました。
★★★☆☆
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