瀬尾まいこ著 ”図書館の神様” ☆
『内容(「BOOK」データベースより)
思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。
・・・「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!
・・・ 清く正しくまっすぐな青春を送ってきた“私”には、思いがけないことばかり。
不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。ほかに、単行本未収録の短篇「雲行き」を収録。』
はちゃめちゃな人だ。でも、ケーキの腕だけは確かだった。
浅見さんの作るケーキはとびきりおいしかった。
一瞬にして口の中で消えるチーズスフレ、苦味も甘みも全部がちょうどいいモンブラン、
濃厚なのにいくつ食べてもちっとも飽きないショートケーキ、どれも最高だった。
ふわふわのスポンジケーキは何のデコレーションがなくてもおいしい。
卵と砂糖と小麦粉はそれだけでおいしい物なのだ。
この年になると、こころが固くなって、がんこになるし、
妬みっぽくなるし、ひがみっぽくもなる。
そんな、取り扱い注意のおばさんの固いガードを、
この本は、難なく飛び越えてくれます、(^-^)
それは、まるで、丁寧に作られたシンプルで上等なスポンジケーキのように、
こころに、からだに、すうっと、しみこんでくるのでした、、、
他のものがどうでもよくなるものがあるということは、幸せなことだ。
そうそうそうそう、 ほ~ント、そうなんだよね~♪
でも、こういうことに気がつくのって、年取ってからなんだけど、
この著者は、いったい、幾つなのかしら、、、
「水清ければ魚棲まず きっぱりさっぱりさせるのは楽じゃん。
そうしていれば正しいって思えるし。実際間違いを起こさない。
だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、
いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね。 」
・・・・・
『黙るべきときを知る人は、同時に言うべきときを知っている』
・・・・・
「そりぁよかったね」
「だろ。それよりさ、何かおごって」
拓実は墓参りの後、いつも何かを催促する。
人との付き合いでプラスマイナスをゼロにしておくのは拓実の癖だった。
・・・・・
「は?」
「何か間違ったこと言ってる?って、そんな堅苦しいこと言ってるから頭痛になるのですよ。
そうやって正しさをアピールすると、体力を消耗しますよ。
だいたいそんな押しつけがましい言葉、普通は恋人ぐらいにしか言わないでしょう?」
もともと、難解な言葉を使う人を、それだけで、もう、信用しないし、
年とともに、気難しくなってくる厄介な自分、、そんなわたしに、、
この本は、いろんなことをすんなりと思い出させてくれたし、
いろんなことを、さくさくと、教えてくれました。
『先生の明日と明後日がいい天気であることを祈ってます。』
う~ン♪、いいな~、(^-^)、
おいしいスイーツみたいな、上等な一冊でした、
★★★★☆
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